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by aru-henshusha

英語オンチ必読! 忘れてしまった中学英語を、1週間で学び直す方法。

c0016141_23335215.jpg僕が英語ネタなんて珍しいと思った方もいると思いますが、それもそのはず、今回は献本ネタでございます。

東大生が書いた つながる英文法

某書店でばったり会った、担当編集者の方からいただきました。

この本、正直言って、紹介するのに迷いがあったんです。
というのも、僕は学生のときから英語が得意なわけではないし、いまとなっては、英文法なんてほとんど忘れてしまっているので。

そんな僕がこの本の評価じみたことをしていいのだろうか、と思っていたのですが、よく見るとこの本、<英文法をイチからやり直したい中高生、社会人にピッタリ>と帯に書かれています。

どうやら、「英語オンチ」な僕も読者ターゲットの一人のようなので、安心して、自分なりに読んで感じたことを書かせていただきます。


さて、この本の特徴はいくつかあるのですが、一番大きなポイントは「(中学英語の)英文法の全体像をつかむ」というところでしょう。

c0016141_23494712.jpg(小さくてわかりにくいかもしれませんが)左の図が、その全体像です。

本書では、この図をもとに、まずは中学英語の全体像をつかむことにページが割かれます(といっても、たかだか20ページですが)

そして、読者の立場からすると、最初にこの全体像を学べるのは、二つの安心につながります。






第一の安心は、「全体像をつかむことで、何となくわかった気になる」こと。

「何となくわかった」と書くと、おいおいそれじゃマズいだろう、と思う方もいるかもしれません。
しかし、逆に最初から細かい文法を詰め込んでいくような本だったら、いきなりつまずく人も多いと思うんですよね。

その点この本は、最初に全体像をゆる~く紹介していて、読者が英文法を学ぶことの敷居を下げることに成功しています。

その分、僕みたいな英語オンチでも、そのあとのページを読んでみようかなという気になるのです。


次に第二の安心は、「全体像をつかむことで、自分がどこまで勉強したかわかる」こと。
これは、言いかえれば、「自分があとどれだけ勉強すればいいのか、わかる」ということでもあります。

この本では、英文法の知識を、「英文の幹」「飾り」「その他」まで分けています。

たとえば、自分が今日これから読むのが「時制」のパートなら、これを学べば「英文の幹」を学び終わるというのが一目でわかります。
(丁寧なことに、各パートの頭に、毎回、全体像が載っているのです)

1パート学ぶごとに、自分の達成度がわかるという点も、読者のやる気を増す、うまい仕掛けだと思います。


これ以外にも、文法のルールを丸暗記させるのではなく、「なぜそうなるのか?」を理解させる書き方や、ほとんどが2ページ見開きで進行するわかりやすい構成など、本書は英文法の本として、というより実用書として、非常にすぐれたつくりになっています。


ただ、一点だけ苦言を呈したいのが、タイトルです。

この本の正式タイトルは、

東大生が書いた つながる英文法
1週間で中学英語総ざらい

となっています。

そして、太字にした「1週間」に対する言及が、本書にはまったくありません。

もちろん、昔から出版界では「2時間でわかる~」とか「3倍速で●●できるようになる~」といった特に根拠もない数字をタイトルにつけるケースが多いのですが(僕もつけたことあります…)、本書の場合、中身がいいだけに、タイトルにももう少し丁寧さがほしかったように思います。

たとえば、1日目で第1章と第2章の導入編をマスター、後の「幹」「飾り」「その他」を学ぶ残りの3章を、それぞれ2日間ずつで学び、計1週間になる、といった構成上の整合性をつけてもよかったのではないでしょうか?

相変わらず同業者的な細かいツッコミなのですが、よい本ほど、かえってちょっとしたゆるみが目についてしまいますゆえ、関係者の方はご容赦ください。

なお、この延長でぜひとも高校英語編を作っていただくと、僕を含めて全国の英語オンチは喜ぶかと。



*当ブログへの献本は、以下のルールに則っていただける限り、歓迎いたします。
当ブログへの「献本ルール」を、ここらでハッキリ決めようと思います。
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by aru-henshusha | 2008-10-27 00:32 | 本・出版