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by aru-henshusha

「ほんとうの幸(さいわい)」って、何だろう?<ヒトリゴト。10>

出かける前にも書いたけど、今日、僕は演劇を見に行ってきた。

山の手事情社という劇団の公演で、演目は「銀河鉄道の夜」。

じつは、僕にとって、これがほとんど初めての観劇体験だ。

僕みたいな<コトバの人>にとって、役者という<カラダの人>が、舞台を所狭しと動き回るのを見るのはとても新鮮で、いい刺激を受けた。
あまりうまい賛辞が出てこないのだけど、素直に「また見たい」と思った。

ところで、この劇中、しばしば「ほんとうの幸(さいわい)」というセリフを聞いた。

僕は、この言葉を聞くたびに、頭の中で疑問がわいた。

「ほんとうの幸」って、いったい何だろう?

僕は昔から、ずっと思っていたことがある。
それは、「誰かの幸せは、誰かの不幸せ」だということ。

たとえば、僕が仕事で、多大なる成功を収めたとする。
それを、自分のことのように喜んでくれる人もいるだろう。
でも、そのことを、心の底から妬む人もいるはずだ。

人が幸せになる過程で、誰かを蹴落としたり、裏切ったりすることはよくある。
もちろん、自分が意図しないでそうなるケースも少なくない。
でも、結果として、誰かを不幸せにしたことは変わりない。

僕の幸せや、僕の大事な人の幸せは、誰かの不幸せのうえで成り立っていたりする。
そのとき、それを「ほんとうの幸」と呼んでもいいのだろうか。
半径5メートルの幸せを、「ほんとうの」なんて形容していいのだろうか。

でも、そのいっぽうで、世界のすべての人が幸せになることなんて、まず考えられない。
「みんなの幸」が「ほんとうの幸」だとしたら、この世にそんなものは見つからないだろう。

ジョバンニも、カムパネルラも、宮沢賢治も、「ほんとうの幸」が何かなんて、わからなかったと僕は思う。
それは、一生費やしても、わからない命題なのかもしれない。
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by aru-henshusha | 2005-06-05 01:19 | 不定期なヒトリゴト。