ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

編集者の苦しみは、編集者にしかわからない。<ヒトリゴト。12>

本当は見出しの一行で、言いたいことは、すべて言い尽くしている。

見る人が見れば、すぐにわかる。
僕の言いたいことが、すぐにわかる。

だけど、君には、これでは舌足らずなのだろう。
だから、恥を忍んで、蛇足をつけくわえる。

そもそも、見出しの一文は「編集者」に限ったことではない。
「作家」でも「書店員」でも、あるいは「主婦」でも「高齢者」でも、同じようなことが言える。

ある職業(または役割、状態など)に付随する特有の労苦は、それと同じ境遇にいる者や、かつてその境遇にいた者にしかわからない。

もちろん、人には境遇の違う者の労苦を想像したり、他者の話や書物を通じて知ろうということはできる。

でも、それはしょせん「模写」である(しかも、人によっては相当に粗雑な)。
決して「原画」に如くものではない。

僕は、自分が従事する職業に付随する労苦にたいする理解を、君に求める気は毛頭ない。
ただ一つ、君が決してそれを理解し得ないことだけは、わかっていてほしい。

「自分がそれを理解し得ない」という前提すらない「意見」とやらに、僕は貸す耳もなければ、返す言葉もない。
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by aru-henshusha | 2005-07-10 14:10 | 不定期なヒトリゴト。