ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

僕が今週、2つの出版社の転職話を断ったワケ。(ヒトリゴト。17)

僕は今週、2つの出版社から、あいついで「転職のお誘い」をいただきました。

誤解なきよう言っておきますが、正直、なぜ僕に話が来たのかわかりません。
どう贔屓目に見ても、いまの僕には、他社からお誘いを受けるほどの実力も実績も人脈もないのです。
何の間違いか知りませんが、相当買いかぶられてしまったなぁと思いつつ、お話だけは軽く聞きました。

条件面については詳しく聞いていませんが、どちらの会社も、いまの会社よりもお給料はいただけるみたいです。
会社の知名度や勢いも悪くなく、はっきり言うと、オイシイ話だと思いました。

でも、けっきょく、僕は首を縦に振りませんでした。
いや、縦に「振れなかった」というほうが正しいでしょうか。

1つには、実力・実績の問題がありました。

くり返しになりますが、今回、僕は相当買いかぶられています。

彼らはもしかすると、僕が比較的若いということもあって、その「のびしろ」に期待しているのかもしれません。

だけど、この世界には僕より若くて、僕の何倍も活躍している人がいます。
その人たちをさしおいて、自分にこんな話が来るのが、なんだか恥ずかしくて。

もしも転職するとしたら、自分にもっと自信がもてるようになってからしたい。
本当に、そう痛感しました。

そしてもう1つには、僕がいま進めている企画の問題があります。

昔話になりますが、僕が最初に勤めた会社からいまの会社に転職したとき、1つの企画を置いていきました。
その企画は、自分が心からやりたいと思っていた企画でした。

けれど、企画を進めているあいだにワケあって僕は会社を移り、その企画は僕の上司が引き継いで本にしました。

できた本を見たとき、驚きました。
それは、僕が最初に提案したものとは、全然違うものになっていたのです。

べつに、自分が立てた企画より内容がよくなっていたら、何も言いません。
でも、その企画は、明らかに僕が構想したものより劣化していました。

僕は、著者に申しわけないことをしたと思いました。
もしもの話をしても仕方ないですが、あの本を僕が作っていたのなら、あんな本にはしなかったはずです。

さて、昔話はそこまでにして、いまの話に戻します。

僕には現在、進めている企画がいくつかあります。

僕がもし転職するとしたら、その企画のほとんどは、いまの会社に置いていくことになるでしょう。
そしたら、またあの「悲劇」を繰り返す可能性があります。

もちろん、転職には(とくにこの業界の転職には)、そういうことはつきものです。
それがイヤなら、一生おなじ会社にいるべきでしょう。

僕は(同僚・上司には申しわけないですが)、いまの会社が「終の棲家」だとは思っていません。

だけど、少なくとも、いま進めている企画にかんしては、自分の手で作りたい。
そして、願わくはその本が多少なりとも売れて、いまの会社に少しでも還元したい。

それが、いまお世話になっている著者と、いまの会社への唯一の恩返しです。
それが済まないうちに、あらゆる人々へ、後ろ足で泥をかけるようなことはしたくないのです。

以上、みなさまにはどうでもいいことを、長々と書いてしまいました。
(最後まで読んでいただいた方、ありがとうございます&申し訳ない)

この一文は、ただただ自分の胸のうちを整理したいがために書いたものです。

けれど、書いてよかったと思います。
僕がいま、何をすべきか、やっとわかったのだから。

今日は、ひさしぶりに、ぐっすり寝られそうです。
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by aru-henshusha | 2005-10-24 00:47 | 不定期なヒトリゴト。