ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

書けば書くほど、僕の思いはこぼれてく。(ヒトリゴト22)

小学生のとき、作文の授業で、「感じたままに書きなさい」と言われた覚えがある。

ふ~ん、感じたままに書けばいいんなら、簡単じゃん。

当時の僕は、そんなふうに思って、スラスラと原稿用紙の升目を埋めていた。

だけど、いま思えば、「感じたままに書く」って、すごい難しいことじゃなかろうか。

僕は、特別な事情がない限り、毎日毎日このブログを書いている。
内容は気になる記事のクリップが主だけど、ときにはこの「ヒトリゴト」のように、自分の胸のうちを吐露するような文章も書く。

けれど、それらすべてを、「感じたままに書けた」とは思ってはいない。

たとえば、僕が、誰かのことを嫌いになったと書いたとする。

なるほど、「嫌いになった」ということ自体は嘘ではないだろう。
でも、それと同時に、「嫌いになれない」という感情も、僕の中にはあるかもしれない。

他の人のことは知らないけれど、僕の頭の中はぐちゃぐちゃだ。
いつもいろんな思いが渦巻いていて、その一つを取り出したところで、それを「真実」と言ってよいのかわからない。

書けば書くほど、嘘が混じり、書けば書くほど、真実から遠ざかる。
この拙い文章は、僕の思いをボタボタもらしながら、一応のゴールに向かっていく。

文章にはきっと、「混沌」を整理する作用があるのだろう。
書くことで自分の心を「因数分解」して、いちばん大きな値を記録する。

けれど、それがすべてじゃない。
それだけが、僕の本心では決してない。

君に伝えるための文章なのに、伝えきれないことがたくさんあって、そんな文章しか書けない僕は、ほんとに情けないやつだと思う。

だけど、だからこそ、今度会って、いつもの店でメシでも食いながら話をしよう。

しゃべってるあいだも、僕の思いはボロボロこぼれて、それを「素直じゃないな~」と思って見ている君がいて。

なんだかいろいろあったけど、僕らはけっきょく、また振り出しに戻ったみたい。
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by aru-henshusha | 2005-12-08 21:59 | 不定期なヒトリゴト。