ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

人を選んで、選ばれる。編集者は嫌な仕事だ。(ヒトリゴト24)

最近、会った人の名刺が、どんどんたまっていく。
連日、忘年会やらパーティがあるこの時期は、なおさらだ。

僕はたまった名刺を、折を見て3種類に分類する。

・仕事に関係のありそうな名刺(著者候補、PR媒体関係者などさらに細分化する)
・プライベートに関係のありそうな名刺
・どちらにも関係なさそうな名刺

の3種だ。

自分にとって「不必要」な名刺は、輪ゴムで無造作に束ねておく。
さすがに捨てはしないけど、特別な事情がない限り、見返すこともない。

名刺は折を見て分類すると書いたけど、本当は、出会ったときに分類自体は完成している。
名刺をもらう。社名を見る。仕事の内容を聞く。相手の話の中身を吟味する。

「それでは、何かありましたら」と言った時点で、自分の頭の中の3つの箱に、相手の名刺を分類し終わっている。

いや、「分類」なんてもんじゃない。それは、ただの「値踏み」である。

この一年で、数百枚の名刺を交換したと思う。
同時に僕は、数百人を「選別」してきた。

それが僕の仕事である。
人を選び、原稿やら何やらを頼み、それをまとめて本にするのが、僕の仕事である。

だけど、自分に人を「選ぶ」ことができるのかと言われたら、無言でうつむくしかない。
お前なんかに値踏みされたくないよという声が、名刺の束から聞こえてくる。

僕が人を選ぶように、僕も人から選ばれる。
名刺を交換するたびに、相手を値踏みし、相手から値踏みをされ返す。

僕は、そんなことがやりたくて、編集者になったんだっけ?

その答えも考え付かぬうちに仕事に追われ、隙を見ては、人の集まる場所へ出かけていく。

いまの僕には、何かをじっくり考える暇がない。
いまの僕には、自分が嫌な人間になるのを止める術がない。
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by aru-henshusha | 2005-12-15 01:04 | 不定期なヒトリゴト。