ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

僕が知ってるあの人と、あなたが知ってるあの人と。(ヒトリゴト47)


飲み会などで初対面の同業者と話すとき、「共通の知人」がいると、いっきに楽になる。

「僕、御社の●●さんにはよく飲みに連れて行ってもらってるんですよ」
「<週刊**>の■■さん、こないだお会いしましたよ。いつもお忙しいみたいで……」

なんて、その知人をとっかかりにすれば、初対面どうしでもけっこうスムーズに話せるからだ。

でも、いつもこういう「やり口」でいると、ときに悩ましい場面に出会うことがある。
じつは先日も、二回続けてこういうことがあった。


その日僕は、ある出版社の男性と名刺交換をするさい、旧知のAさんの名前がつい口を出た。
「Aさん、ますますご活躍のようですね」といった僕に、名刺交換の相手は露骨に嫌な顔をした。

「ああ、Aね。外ではホープって言われてるんでしょう?」


そのあと、どのような言葉が彼の口からもれてきたか、ここには書かない。
彼はまるで、同僚であるAさんよりもオレのほうができるよと言いたそうに、僕に言葉を吐きつけた。


おなじ日の夜、僕はたまたま、違う会社の編集者と飲みに行った。
相手は、以前一度だけ会ったことのある、初対面同然の人だ。

酒が進むにつれて、僕はふとBさんの消息を尋ねた。

「最近、Bさん元気ですか? 以前はよく飲み会でお会いしたんですが……」

当然、そこからはBさんの話になる。
元気そうか、いまどんな仕事をしているのか、当たり障りのない話が続いたあと、ポツリと。

「私、Bさんとは正直、合わないんですよねぇ」

え、そうなんですか? と理由を聞く。
僕の知ってるBさんとは違う(好ましくない)一面を、初めて知った。


人には、いろいろな顔がある。

上司に見せる顔、同僚に見せる顔、後輩に見せる顔、取引先に見せる顔、社外の仲間に見せる顔……。
会社関係だけを考えてもたくさんの顔があり、実際には、さらに色々な感情、しがらみがからみつく。

Aさんも、Bさんも、僕に見せてくれるのは「社外の顔」だ。
それが、どれだけ「社内の顔」と重なるのか、異なるのかは想像もつかない。


僕が知ってるあの人と、あなたが知ってるあの人は、けっこう違う顔をしているらしい。
僕としても、そこまで言われれば、「そういうことを言う人もいる」ぐらいの認識はしておきたい。

だけど、僕が知ってるあの人も、あの人も、僕にはとてもいい人なんだよね。

それが、たとえ外部へのポーズに過ぎないとしても、僕に見えるのは、その顔だけなんだよ。
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by aru-henshusha | 2006-08-27 14:13 | 不定期なヒトリゴト。