「1億冊」を突破した赤川次郎は、いったい誰に読まれてるのか?
2006年 11月 15日
ただいまフェア中の角川文庫・赤川次郎作品についた帯を見て、ひゃあーっとぶっ飛んだ。リンク先の記事の試算の信憑性が高いとしたら(というのも、角川がサバを読んでいる可能性はあるので)、これはたしかにすごい数字です。
なんと「1億冊突破!!」とあるではないか。1億冊だよ。1億冊といえば、100万部の本でも100点! 10万部の本なら、1000点も出ないと達成できない、それはもう天文学的な数字である。
(中略)
ちなみに角川文庫の目録によると、2006年2月現在、赤川次郎(「あー6」)は最新刊が『三毛猫ホームズの世紀末』で「227」番。つまり227点が刊行されている。最近の赤川次郎事情に詳しくないので、正確にはわからないが、2月以降も何点かは出ているだろうから、仮に230点として、おお、1点平均43万4782部だ!
いや、すごいどころか、実感としては「ものごっつすごい!」わけですよ。
いわゆる文芸畑の編集者さんに話を聞くと、普通の作家で(発行部数が)「1万部」出れば御の字ということを言われます。
また、僕がかかわっているようなビジネス書の世界でも、「2~3万部」を超えれば、売れた本だと言ってかまわないのが現状です。
そんな時代に、「平均43万部」とは(もちろん、一冊一冊によってばらつきはあるんでしょうが)。
でも、失礼を承知で言えば、赤川次郎の小説は、いったい誰に読まれているのでしょう。
僕自身、小学校時代は「三毛猫ホームズ」シリーズを愛読していました。
けれど、いつのまにか赤川次郎を「卒業」してしまったんですよね。
中学生からはミステリーに限らず、いろんなジャンルのいろんな作家の本に手を出し、以降、彼の小説にはふれていません。
現在、僕のまわりに熱心な赤川次郎の読者は見当たりません。
宮部みゆきや東野圭吾のファンはいても、三毛猫シリーズ最新作の面白さを教えてくれる知人・友人はいないんです。
もちろん、これだけの部数を支える読者は必ずどこかに存在するとは思うのですが、赤川次郎の本って、本当、いったい誰に読まれているんでしょう?
今の小学生も、「三毛猫ホームズ」や「三姉妹探偵団」で、小説の世界に足を踏み入れるものなんでしょうか?