「このブログがすごい!2007」13位をゲットした、ある編集者の<見出し力>の秘密。
2006年 12月 25日
それでも、めちゃめちゃ嬉しい出来事だったので、書かせていただきます。
このたび、『このWeb2.0がすごい!』という書籍の1コーナー、
「このブログがすごい!2007」の13位に、
ある編集者の気になるノート
が選ばれました。
このような紹介を受けるのは、以前、「編集会議」という業界誌に当ブログが掲載された以来のことです。
また、書籍を作ってる人間として、同じ書籍に自分のブログが載るのは感激モノであります。
ところで、当ブログのような、世間的には無名のはずのブログに、なぜこのような名誉が与えられたのか。
それは<見出し力>のおかげだったようです。
同書の選考理由を述べているページから、一部を抜粋。
岡部 (「ある編集者の気になるノート」を)僕もアンテナに入れて、かなり見ています。大手新聞のニュースじゃなくて、ブログやニュースサイトからちょっと変わったネタを引っ張ってくるセンスがいいと思いますね。見出しをいくつかご紹介しましょう。そう、まさに、この<見出し力>が今回のランクインの決め手であり、当ブログの数少ない売りの一つでもあります。
●「連鎖自殺」があるのなら、「連鎖生存」があってもいい。
●夫と妻は、「何を」「どれだけ」話しているのか?
●「彼氏いるの?」と聞かれたときに、一番モテる返し方。
●「1億冊」を突破した赤川次郎は、いったい誰に読まれてるのか?
●一番ストレスを感じる業界・職種は、アレとアレ。
●気がついたら、「一人一人」を「一人ひとり」と書くクセがついてたよ。
スマイル たしかに気になる見出しが多いですよね。
さて、この記事の見出しに「<見出し力>の秘密。」とうたったからには、自分なりの見出しのつけ方のポイントをここに書き記したいのですが、あいにくの年末進行中。
今回はそのさわりだけを紹介します(って、かってに講師ぶってますが……)。
僕がブログの見出しをつけるときに気にしている要素は、次の2つです。
・「言い切り」と「問いかけ」
・「ヌガシ」と「カクシ」
たとえば、最近の記事の例でいえば、
女は「トク」だからうらやましい、男は「ラク」だからうらやましい。
は典型的な「言い切り」です。
記事の内容を見れば、必ずしも見出しの通りではないのですが、それでも「初対面でのインパクト」を重視してこう書きました。
あえてこう言いきることで、「女って言うほどトクじゃないよ」と思っている人まで、読者に取り込もうという作戦です。
いっぽう、
作家の「時給」は、どうなっているのか?
は、見ての通りの「問いかけ」。
言われみると、作家の「時給」ってどれぐらいかわかりませんよね。
「あ、そのネタ俺も知りたい(or気になってた)」と思わせれば勝ちです。
ちょっと駆け足で進んでいますが、「ヌガシ」と「カクシ」にふれましょう。
「ヌガシ」は記事の内容をできるだけ見出しに出すこと、逆に「カクシ」は見出しだけでは記事の内容が不明な状態のことです。
たとえば、
牛丼デートは、ありか? なしか?
は「ヌガシ+問いかけ」です。
<牛丼デート>というわかりやすい事例を出しつつも、それが「あり」か「なし」かについては、本文をどうぞ、と読者の前にボールを投げたわけです。
たいする、
何となくエロい言葉と、何となくマヌケな言葉。
は「カクシ+言い切り」です。
人によっては、「何となくエロい言葉は、*********」と実例を出す場合もあるでしょうが、それでは見出しだけで満足しちゃうかもしれない、と思ってこの形式でつけました。
まあ、以上はあくまで僕のやり方なんで、汎用性があるかどうかはわかりません。
でも、いっけん「気になる見出し」をつけるためには、それなりに考えていたりするんです。
なお、一つ強調したいのは、僕の<見出し力>はブログのために磨いたものではありません。
これまで書籍の編集者として、(誇張ではなく)何千、何万という見出しを考えた結果、いまのようなスタイルが身につきました。
それをただ、ブログでも応用しているだけです。
ブロガーである前に、僕はやっぱり「ある編集者」ですから。