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by aru-henshusha

日本初のミリオンセラーに学ぶ、「時代の流れを読む力」の重要性。

4月17日  「ミリオンセラーの新書」(TBS「News Bird」)
日本で最初のミリオンセラーは「実用書」です。
戦後のベストセラーとなった「日米会話手帳」は1945年にわずか3ヶ月ほどで360万部を売り上げました。
本というより薄い冊子で、今の新書とはまったく違いますが、手軽なサイズの実用書としては今の新書の先駆け的存在といえるかもしれません。

企画をたてたのは誠文堂新光社の創業者・小川菊松氏。なかなかのアイデアマンで、8月15日にラジオで終戦を知り、即座に「これから英語の時代が来る!」と本の出版を考えついたといいます。
僕は終戦時には生まれていないので、当時、人々がどのような思いで終戦を迎えたのかは、想像することしかできません。

しかし、この小川氏のように、終戦直後に(敵の言語であった)英語の本を出そうと、頭を切り替えられた人は少なかったのではないかと思います。

そして、このアイデアを裏打ちしたのは、彼の「時代の流れを読む力」なんでしょう。
この能力は、時が流れに流れた今の出版界においても重要であると思います。


ちなみに、小川社長、この成功に必ずしも満足していなかったようで。
しかし、当時、紙の価格は鰻登り。「『日米会話手帳』に使った紙をそのまま持っていたら、大儲けできたのに」と菊松は大いに後悔したと伝えられる。
クリック20世紀
編集者というより、根っからの商人ですなぁ。
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by aru-henshusha | 2007-04-23 02:53 | 本・出版