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by aru-henshusha

初版と重版、出版社がより儲かるのはどっち?

ふ~ん、こういうケースもあるんですね。

よつばとひめくり2007(あずまきよひこ.com)
商品はたくさん作るほど単価が安くなります。
で、漫画もそうですが、本は初版が一番たくさん作られます。
例えば初版で10万部作って、それが市場になくなってくると第2版を1万部追加する、って感じです。
初版と重版の数はケースバイケースですが、重版の方が数はずっと少ないです。
つまり重版は初版よりコストパフォーマンスが悪いのです。
「よつばとひめくり」は1,500円。この値段は初版だと利益が出るのですが、重版だと出ないらしいです。
なぜ「こういうケースもある」という言い方をしたかというと、僕は今まで、

「初版よりも重版のほうがコストパフォーマンスがよい」

と思っていたので。
重版発行時には、組み代や製版費が軽減されるので、10%~12%程度原価率が下がることになる(太郎さんと花子さんの出版技術講座:1.10  初版原価と重版原価
とあるように、重版がかかったときは文字の直しでもしないかぎり、印刷に必要な「版」をつくらなくてすむぶん、かかるコストが安くなるのです。
(ただし、印刷代は大量に刷れば刷るほど安くなるので、小部数の重版ではかえって割高になるケースも)

ともかく、冒頭の初版にウン万部も刷るようなカレンダー?はべつとして、(一般的な)5~6000部スタートの本では、重版がかかればかかるほど、出版社としてはオイシイのではないかと思います。


ちなみに、以上のような事情を考えると、「パンダ舎」さんが出されていたクイズの答えは、たぶん「C」ではないかと思うのですが……
*「D」は同じ重版で部数を増やしているけれど、こまめに刷りすぎなので、かえって割高? 

参考:何万部売れたら“成功”か? 問題編(パンダのため息)
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by aru-henshusha | 2007-05-05 00:00 | 本・出版