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by aru-henshusha

「小説」と「戯曲」は、何が違う?

一年近く前の記事ですが、この答えは新鮮でした。

小説と戯曲の一番の違いはなんですか?(活字中毒R。)
小説と戯曲の一番の違いはなんですか? とインタビューされました。
すぐに、「はい、小説は時間を気にせず書けるので、楽です」と答えました。
戯曲は、時間との闘いです。
僕は、いつも、400字詰め原稿用紙210枚前後で、ひとつの芝居を書きます。これを、びゅんびゅんの速度で上演して約2時間です。が、1時間58分と2時間4分では、作品の印象が大幅に違うのです。
戯曲やシナリオの場合は、「ストーリーを考える」ことと「自分を考える」ことが同時に要求されます。
ところが、小説の場合は、ここまで厳密ではないはずです。400字詰めで250枚を235枚にどうしてもしなければいけない必然は、そんなに強くないと思います。
シナリオや戯曲は、「時間とのパズルゲーム」なのです。
話がちとズレるかもしれませんが、小説を映画化したものの中には、「よくもまあ、こんなにストーリーをはしょりやがって」といった、急ぎ足の作品があります。

あれはきっと、時間をあまり意識しないで書かれた小説を、時間を意識せざるをえない映画に「変換」したがための悲劇という側面もあるのでしょう。
(もちろん、そこらへんをうまくカバーした作品もたくさんあるのでしょうが)

「いれもの」と「中身」にはそれなりの関係があり、やたらとシャッフルすればいいというワケではなさそうです。
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by aru-henshusha | 2007-05-06 16:25 | 本・出版