ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

編集者や書店員は、本当に「本が好き」なのか?

以前書いた、

書店員さんは、年間何冊ぐらい本を読んでいるのか?

とも関連するお話です。

~書店員のウラネタQ&A~その6(本よみうり堂 : Yomiuri On-Line)

Q.「書店員さんで本嫌いの人はいますか?または、書店員になって本が嫌いになった、
  または好きになったとかはありますか?」
  (10代・女性)*以下、好き派・嫌い派に分け、引用者が再編集。「わからない」は省きました

●本が好き(or嫌いな人はいない)派


A.わたしのまわりの書店員で本が嫌いだという人の話は聞いたことがありません。みんな
  本が好きで、書店で働くこを選んでいるようです。以前お客さんとして書店に足を運んで
  いたときには、興味のある本が並ぶコーナーにしか足を運んでいませんでしたが、書店で
  働くようになるとありとあらゆる本を毎日目にし、「あれも読みたい、これも読みたい」
  好きな本のジャンルが広がったように思います。
  (紀伊國屋書店ららぽーと豊洲店 野口亜希子)

A.本が嫌いな書店員はいません。書店員になって本が嫌いになることはなく、大抵書店員に
  なる前から本が好きです。
  (三省堂書店 副田陸児)

A.本を嫌いな書店員はいないはずですよ。もともと本好きの人たちの集まりだなあと感じます。
  (紀伊國屋書店クレド岡山店 岩瀬桑子)

A.「本が好きというほどではない」という人はいても「本嫌い」の人はいないのではない
   かと思うのですが。
(ブックファースト渋谷店 山川友美)

A.私自身は本が好きで本屋さんで働き始め、嫌いになっていないのでまだ働き続けていま
  す。今まで働いてきた職場で見てきた限りでは嫌いで入ってくる人はほとんどいないと
  思います
が、入ってきてから好きじゃなくなる人もいることはいるみたいです。(でも
  それは『本を売る行為』が嫌いになるのであって本自体を嫌いになったということでは
  ないと思います。)
  (ブックファースト梅田店 新田拓子)

A.3K職場なので、あまり本が嫌いな人は集まりません。でも新入社員は新刊の多さに酔い
  一時的に多読になったり、本が買えなくなったりする人もいます。
  (有隣堂戸塚店 安田信之)

A.本が嫌いな書店員さんは、あまりいないと思いますが、本を読まない書店員はいると思い
  ます。本が好きな書店員でも、入荷の量により辟易する場合はあります。
  (ブックスタマ 加藤美子)

A.本が嫌いという人にはまだ会ったことがありません。興味がない、という人なら知り合いに
  います。(丸善丸の内本店 本橋一夫)

A.基本的に本好きの人が吸い寄せられる職場かもしれません。
  (リブロ名古屋店 辻山良雄)

A.いない事を信じています!働き始めてからやはり好きになりました。
  (紅雲堂書店 石川貴雄)

A.好きになったと思います(三成堂そごう店 石津剛)


●本が嫌い(or嫌いな人もいる)派

A.本って水分を取られるなぁと思ってちょっと嫌いです。特に冬場は指先が痒くなったり
  します。(ブックファースト渋谷店 林香公子)
*この方のコメントだけ方向性がアレなのですが、面白いので残しました……

A.本嫌いの人はいるでしょうが、資格の問題としてどうでしょうか。
  (煥乎堂書店 黄木宣夫)

A.嫌いな人もいますよ(もちろん少数派だと思いますが)。
  (紀伊國屋書店シンガポール店 古矢秀一)

A.本嫌いの人は、たくさんいます。書店をまあ就職口の一つとして、入社した人はあまり本を
  読みません。アルバイトさんの方が本が好きで入ってくる方が多いような。
  (有隣堂厚木店 佐伯敦子)

A.本嫌いの人はいると思います。「仕事」としてとらえてる場合。私の場合は、好きがどんどん
  大好きになっていきました。
  (丸善丸の内本店 上村祐子)

A.もちろん本嫌い、本を読まない店員もいます。好き嫌いというより、職場の本を本として認識
  しなくなった、というのはあります。
  (ジュンク堂書店 鈴木尚子)


というわけで、乱暴にまとめると、

「本が嫌いな書店員もいるだろうけれど、それは少数」

といったところでしょうか。


そうそう、見出しに書いたんで、「編集者」についてもふれましょう。
といっても、こちらはアンケートをまとめたわけではなく、あくまで私見ですが。

編集者にも、もしかしたら、「本が嫌い」な人がいるのかもしれません。
けれど、そういう人が5年・10年とこの仕事を続けるのは、かなり難しいのではないかと思います。

編集者の仕事はヘビーです。
本気でよいものをつくろうとすれば、肉体的にも精神的にも、相当の負荷を引き受けなければいけません(ものづくりとは、大抵そういうものでしょうが)。

だから、かりに「本が嫌いな人」が「嫌いな本」のためにそこまでできるとしたら、僕はすごいと思います。

でも、そこまでして編集者という職にしがみつくよりも、ほかの職種を選ぶほうが普通でしょう。
よほどの大手でもない限り、経済的なメリットなども、それほどないですしね。

個人的に交流がある編集者を思い浮かべても、「本が嫌い」という人は見当たりません。
(自分が作っているジャンルを好きではない、という人ならいるかも)

いや、これはもしかしたら、僕が「本が嫌いな編集者」を無意識に避けているのかもしれませんがね……

*追記
あと、見るからに「本が嫌い」な人は、版元の採用試験ではハネられるんじゃないかなぁ……
面接官だって「本好き」率が高いわけだから。
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by aru-henshusha | 2007-05-12 09:32 | 本・出版