ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

本のタイトルの主語は、「私」よりも「あなた」がいい?

こんなタイトルでは出版社にアピールできません(出版なんでも相談室)
当方にはいろいろな原稿が送られてきますが、
原稿を拝見する際に、いつも気になることがあります。

それはタイトルです。

タイトルの主語が「自分(著者)」である原稿がきわめて多いのです。
たとえば「私はこうして●●できた」とか、
私が●●できたワケ」といった具合です。

しかし、こうしたタイトルの原稿を出版社に送っても、
おそらく、まともに読んではもらえないと思います。
(自費出版や共同出版を専門に手がける会社なら別ですが)

出版社にアピールするのであれば、
主語を「読者」にしなくてはなりません。

たとえば「あなたもこうすれば●●できる」とか、
あなたが●●できるようになるために」といった具合に、
読者を中心に表現することが大切です。
この方の意見には、おおむね同意です。
でも、より正確に言えば、ようは「著者の知名度」の問題なんですよね。

たとえば、名(物)経営者として名高い人が著者の場合は、タイトルに著者名を織り込んだほうが、固定のファンを取り込めたり、その知名度の高さでファン以外の読者にもアピールできたりする。
(ex.『稲盛和夫の実学―経営と会計』/『本田宗一郎夢を力に―私の履歴書』)

ただ、いわゆる「持ち込み原稿」の著者は、ほとんどの場合、世間的に無名な人です。
だからこそ、「私」をアピールしても仕方ないし、かえってうるさい。

というわけで、いつかは「私」を主語にした本を書いてやると思いつつ、「あなた」のために下積みをつむのが、一般的な著者(とくにビジネス書)の通る道なんでしょう。
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by aru-henshusha | 2007-06-13 20:35 | 本・出版