ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

本気でコケたら、かっこ悪い。それでも、僕は本気で走る。(ヒトリゴト63)

自分のことを、心底ブサイクだなと思ったときがある。

そりゃあ、もともとイケメンとは対極の顔立ちなのだけど、
自分自身、どうしようもないブオトコだと気づかされた瞬間があるのだ。


きっかけは、写真である。
その写真は、高校の体育祭で、本気で走っている僕の姿をとらえた一枚だった。

いや、ひどいのなんのって。写真の中の僕は、とんでもない形相をして走っている。

よくテレビのバラエティ番組の罰ゲームで見る、頭からパンストをかぶされて、
それをそのまま上に引っ張られたタレントみたいな、本当にひどい顔。

あまりのブサイクさに、我ながら、声を上げて笑ってしまった。


他の人のことは知らないけれど、本気で走っている僕は、
いつも、こんなふうにかっこ悪いのだろう。

顔だけじゃなくて、何もかもがイケてない。

そんな僕が、もしも走っているときにコケたら、きっと、これほどかっこ悪いことはない。


じつは今日、コケたんだ。

といっても、これはたとえで、本当に道路やトラックで転んだわけじゃない。

ここ数か月、本気で走ってきた「道」で、僕はコケた。
自分でも、本当にかっこ悪くて、ひどいコケ方をしたと思う。


けれど、きっと、コケなきゃ僕は止まれなかった。

その「道」には、もともとゴールが用意されてなくて。
でも僕は、それを知らずに走り出してしまっていて。

いつもみたいに、ブサイクで、不恰好なランナーは、
派手にコケて、痛みを覚えて、それでようやく止まることができた。


考えてみたら、そんなことは、今まで何回もあった。

本気で走って、本気なだけにかっこ悪くて、
それでも構わず駆け続けて、思いだけが先走って。

何度も何度も、見事にコケた。


本気で走らなければ、途中で止まったり、引き返したりもできるのだろう。
いや、そもそも普通の人は、走るべきか否かを、もっと冷静に吟味しているのかもしれない。

そういう生き方に、学ばなければいけない点があるのはわかる。

だけど、僕はきっと、次も本気で走り出してしまう気がする。


人生の中で数回だけ、本気で本気で走り続けて、そのままゴールしたときがあって、
その喜びを、僕は今でも昨日の出来事のように覚えている。

あのときの僕は、周りから見れば相変わらずカッコ悪かっただろうけれど、
多分、世界中で一番幸せな男だった。


本気で走って、本気でコケたら、かっこ悪いし、痛くもある。
けれど、その先にある喜びは、そんなことがどうでもよくなるほど大きい。

それを知っているから、僕は本気で走ることが好きなんだ。

次のレースは、もしかしたら、もう始まってるのかもしれない。
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by aru-henshusha | 2008-04-05 22:24 | 不定期なヒトリゴト。