ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

話題の速読本2冊を読んで考えた、速読するとき一番大事なこと。

c0016141_2215325.jpgいったん落ち着いた献本ラッシュですが、最近になって、また各方面から、ワサワサご本をいただいております。

今日紹介するのも、そのうちの一冊。

フォーカス・リーディング(以下、『フォーカス~』)

著者の関係者(という表記でいいかしら)からいただきました。


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で、最初はこの一冊のみについて書く予定でしたが、思うところあって、今回こちらの本も併読してみました。

あなたもいままでの10倍速く本が読める(以下、『フォト~』)

こちらは、フォーカス・リーディングとちょっと似た名前の速読法、フォトリーディングのノウハウを紹介した本(出版はこちらのほうが先です)

もともと売れていた本でしたが、有名著者の推薦などもあって、ロングセラーとなっている一冊です。

さて、ご紹介の前に一つ「白状」しなければいけないことが……

僕は今回、これらの2冊を読みはしました。けれど、そのノウハウを試してはいません。

正直、そういう状態でこれらの本の感想を書くのは、あまりよくないと思うんですよね。

本来だったら、それぞれの速読法をためして、どちらをよいと思ったのかまで書きたいところなんですが、さすがにそこまで時間を割ける状況ではなくて。
(逆に言えば、どちらの本もノウハウ習得には、それなりの時間がかかると思います)

ですので、以下に書くのは、実践をともなわない、不十分な感想です。
それでも関心があるという方は、続きをご覧いただければと思います。


さて、今回とりあげた速読本2冊は、かなり対照的です。

『フォーカス~』のほうは一言で言えば「想定の範囲内の速読本」
『フォト~』のほうは「想定の範囲外の速読本」

というのも、前者に書かれている速読のための「眼の使い方」や、「集中力の保ち方」などは、慣れるには時間がかかるんでしょうが、非常に常識的というか、「わりとすんなり納得できる方法論」なんです。

ところが、後者の「本のページ全体を脳に写し取り、時間をおいて必要な情報を抽出する」というノウハウは、こうやって書いていてもよくわからないように、ある意味「超人ワザ」っぽく感じられるんですよね。


もっとも、だから前者がよくて、後者のほうが悪いんだと言う気はありません。

僕の周囲にも、フォトリーディングの技法を習得した人はいますし、信じてトライすれば身につく人もいるのでしょう。

ただ、その「信じる」という最初の関門、本書の言葉を借りれば「パラダイムの転換を図る」段階で挫折しそうな人も多いのかなというのが、個人的な印象です。


ところで、これら2冊はすべてにおいて対照的というわけではありません。
どちらの本でも書かれていたのが、「読書の目的を意識することの重要性」です。

たとえば、『フォーカス~』には、本を読むにあたって、次の三つの条件をよく考えろと書かれていました。

①時間設定(Time)
②目的意識(Purpose)
③状況認識(Occasion)


今回、僕がこれらの本を読んだケースで言えば、

①時間設定(Time):土日のどちらか、仕事が終わったあと。
②目的意識(Purpose):ブログで感想を書く。
③状況認識(Occasion):書かないと、また献本の山が……

といった感じです。

『フォト~』のほうにも、このように上手にまとまってはいませんが、読書をする前に目的を明確に設定しろと書かれています。


というわけで、いつのまにやら「まとめ」に入っていきますが、この事前の目標設定が、速読、あるいは普通の読書においても、大事なんだと思うんです。

たとえば、仮にすごい速読テクニックを身につけたとしても、「それじゃあ、図書館にある本片っ端から読んでいくか」となっては、あまり意味がないですよね。

そもそも、最近、速読や読書術の本がこぞって出されているのは、<目にする情報(本も含む)がやたら多い現代において、どうやったら必要な情報を効率的に得られるのだろう>という悩みに答える意味があってのことだと思います。

だからこそ、その本を読む意味を考えることが、速読・読書の根本に必要なはずです。

そう考えると、究極の速読法は「読まなくていい本を、どれだけ事前にハネられるか」にかかっているのかもしれません。

今回いただいた『フォーカス・リーディング』は、その思想を「フォーカス」の一語で表わしている時点で、オーソドックスだけれど、非常にまっとうで意義のある一冊になっています。


*当ブログへの献本は、以下のルールに則っていただける限り、歓迎いたします。
当ブログへの「献本ルール」を、ここらでハッキリ決めようと思います。
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by aru-henshusha | 2008-10-06 23:13 | 本・出版