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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

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c0016141_23152690.jpg担当編集の方から頂いたこの本。

実録!! コンビニバイト日誌

大学時代にコンビニバイトをやっていた僕としては、当時を思い出しながら楽しく読めました。

なかでも、一番なつかしかったのは、「面白いお客さん」たちのエピソード。

コンビニというのは、常連さんも含めて毎日いろんな人が来店するので、「オモシロお客の玉手箱(いまさら彦麻呂風)状態なのです。


●コンビニに来るオモシロお客の一例*すべて本書から引用
・店のお酒を購入前に呑んでしまったおじさん(多少アル中ぎみ)
・店でカップめんにお湯を入れたはいいが、粉末スープを入れ忘れて出て行ったお客さん
・毎朝「イカの塩辛」を買いに来る子供
・「トイレ借ります」ではなく「オシッコ借ります」と言うおじさん(それって借りれないんじゃ…)
・「あんぱん下さい」と言うつもりが、「あんぱんまん下さい」と言ってしまったおばさん
・メントスを1個だけとっていた万引き犯(し、試食?)
・母親らしき人と来てエロ本を買うおじさん(しかも母親はなぜか笑顔)


こんなオモシロお客さんの生態がタップリ読めて、800円でお釣りがくるという定価も、まさに「コンビニエンス」な一冊。

マンガを文章で紹介されたって伝わんないよ~という方は、まずは下のリンクから立ち読みしていただけるといいかと。

コミックエッセイ劇場|立ち読み|『実録!! コンビニバイト日誌』
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by aru-henshusha | 2008-08-31 23:41 | マンガ・アニメ
c0016141_2311377.jpgまず献本いただいた著者にお詫びもかねて。

本来、夏の甲子園が終わる前に紹介予定だったこの一冊。感想が遅れに遅れて申し訳ない。

だけど、この本ならばいつ読まれても、その価値が損なわれることはないと断言できる。

ひゃくはち

は、他のどの作品にも似ていない、すばらしい野球小説だ。


この小説には、三つの裏切りがある。


一つめは、主人公が補欠であること。

経験者とはいえ一般入試で神奈川の強豪校の野球部に入った主人公は、最初は練習にもついていけず、試合ではエラーもするし、サインも間違える。
センバツ甲子園前のメンバー発表では、他のエリート部員と違って当落線上にいる。

平凡な主人公がさまざまな苦難を乗り越え驚異的な成長を遂げる、という「奇跡」はこの本では起こらない。


二つめは、野球部員が「普通」の高校生であること。

タバコは吸うし酒も飲む。たまの休日には合コンもする。セックスもする。

高校球児がそんなことを、と眉をひそめる人もいるかもしれない。
でも、どれか一つぐらいは、僕らはみな高校生のときに体験したことではないか。

押し付けられた「普通」ではなく、等身大の「普通」の高校生活が、この本の中にはある。


三つめは、彼らの夏が、予想もつかない形で終わること。

ネタバレになるので、詳細はここには書かない。

けれど、主人公にも、他の部員にも、そして僕ら読者にとっても思いもよらない形で、彼らの夏は終わる。
その終わりがもたらす「痛み」は、コールド負けの比ではない。


もしも、「普通の球児」の小説を期待した読者には、これらの裏切りはたえがたいものかもしれない。

この本で描かれる球児たちは、まさに『ひゃくはち』にも余るような煩悩を胸に、野球と野球以外の高校生活を送っている。
そこには、口当たりのいい爽やかさも感動もない。

だけど、だからこそ、本書は「普通の高校生」の姿を生き生きと描いた、青春小説の傑作だと僕は思う。


甲子園のグラウンドでは大人びて見える彼らだって、高校球児である前に、普通の高校生だ。
僕らがときにはハメを外し、ときにはかっこ悪く過ごしてきた高校時代を、彼らもきっと生きている。


*当ブログへの献本は、以下のルールに則っていただける限り、歓迎いたします。
当ブログへの「献本ルール」を、ここらでハッキリ決めようと思います。
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by aru-henshusha | 2008-08-25 23:17 | 本・出版
う~ん、真相はどちらなんでしょう?

イケメン(Wikipedia)
もともとは、ゲイの間での隠語(ゲイ用語)で、1990年代中盤からゲイ雑誌の『G-men』などが使っていた。現在でも、ゲイの間でも使用されている。

TBS系列で2008年3月21日に放送された『アッと驚くあの起源!! 万物ルーツ大調査バラエティ ご起源さん』では、雑誌「egg」1999年1月号で編集者の矢野智子が「イケてるメンズ」の略として使用したのが最初であると紹介している。取材スタッフの「イケメンという言葉を使いはじめたのは矢野さんなんですか?」との問いに対し矢野が「はい。私です」と答えている。
リンク先を見ると、ギャルよりもゲイの人が使ったほうが早いように描かれていますが、実際どうなんでしょうね。

またゲイ用語としても「イケてるメンズ」の略なんでしょうか? それとも……(自主規制)
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by aru-henshusha | 2008-08-25 23:06 | 名言・言葉
c0016141_0353819.jpgこれから紹介するのは、担当編集者から献本いただいた一冊。

根まわし仕事術

正直、このテーマで一冊丸ごとというのはかなり厳しいんじゃないかと思ったのだけど、始めから終りまで何とか「根回し」だけでもたせている。

その意味では編集者の工夫、著者の力量を感じたのだが……

失礼を承知で言うけれど、この本、編集者が期待したほどの売れ行きを見せていないはずである。

なぜなら、やはりテーマがよろしくない。
「根回し」というのは、少なくとも今の時代、多くの人にとって「本で読みたいこと」ではないだろうから。


誤解をしないでほしいのだけど、僕自身は「根回し」の重要性はよくわかっているつもりだ。

たとえば、企画を通すときでも、本のタイトルを決めるときでも、僕はここぞというときは「根回し」をする。
というのも、自分の出した企画がどれだけ売れそうなものだろうが、提案したタイトルがどれだけよさげなものであろうが、会社(の上層部)というものは「常に合理的な判断をするとは限らない」からだ。

会社には会社の、各部署には各部署の、上司には上司のさまざまな思惑があり、それを未調整なまま自分の意見を押し通そうとすると、(その意見に多少の根拠があったとしても)思わぬ反発を生むことも少なくない。

だからこそ、僕は「根回し」というものを軽視しないし、ある意味、それは「本で読ませたいこと」だとも思う。


ここで問題なのは、読者が本で読みたいことと、作り手(著者や編集者)が本で読ませたいことは、必ずしも一致しないという点である。


個人的には「根回し」というのは、多くのビジネスパーソンには必要なスキルだと思うし、それをテーマにした本書にはある程度の読者を獲得してほしいとも思う。

けれど、今の読者、とくにビジネス書のメインターゲットである30前後の男女は、「根回し」といういくぶん古風な、そしてある程度手間がかかるスキルを本を読んでまで習得したいだろうか?

そう考えたとき、僕は残念ながら「ノー」と言わざるを得ない。


同業者の方ならわかるだろうけど、ここ最近のビジネス書の流行のひとつは、「いかに楽をして成果を出すか」だ(以前紹介したこの本は、その典型である)。

そういった本がいつまで支持されるのかは不明だけど、そういうテーマを好む今の読者にとって、「根回し」というテーマは、ちょっと逆張りが過ぎたのではないか?

本書は、根回しの順番やキーパーソンの見分け方など、内容としては実践的な項目が多い「使える本」だった。

それだけに、このタイミングで出されたのが悔やまれる。
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by aru-henshusha | 2008-08-24 01:20 | 本・出版
久しぶりの男女ネタです。
合コン行っても成果が得られないという男女は、参考にしてみてもよいかも。

●盛り上がる話題
趣味の話、芸能関係の話、映画の話、
出身県や方言の話、恋愛話、ファッション・流行物の話
合コンで使える話題より再構成)

●盛り下がる話題

家族の社会的地位の高さ、自分と面識のない他人のこと、最近の経済の動向、
最近の国内・国外政治の動向、理想の恋人、マニアックなコレクション…
合コンで異性に熱く語られるとウザいと思う話題ランキングより再構成、リンク先ではまだ続きます)

もちろん、相手のメンツによって、選ぶべき話題というのは微妙に違ってくるんでしょうがね。
(と、ろくに合コンにいかないのに語ってみる)

ちなみに、普通の飲み会でも見かけますが、その場の一部しかわからない人の話題を延々する人たちを見ると、ウザいを通り越してハラハラしてきます……

これも「空気読み」が大事な仕事である編集者の習性でしょうか。
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by aru-henshusha | 2008-08-24 00:29 | 恋愛・男女
本日のシメは、ためにためて関係者に顔向けできなくなりだした、献本の山からのご紹介。
読了はしているので、あとは一冊一冊、地道に紹介していきます……

c0016141_1482169.jpgケータイ小説的。

この本は、以前紹介した『自分探しが止まらない』の著者、速水さんからいただきました。

*参考
「自分」というのは、探すもの? 決めるもの? 作るもの?

僕がノロノロしている間に、弾さんsmoothさんといった(とくにビジネス書業界で)著名な書評ブログでも取り上げられ、ジャンルを超えた盛り上がりを見せています。


さて、この本でとくに秀逸だと思ったのは、ケータイ小説と浜崎あゆみの歌詞の共通点についての考察。
著者はその共通点を次の3つだとしています。

1 回想的モノローグ
2 固有名詞の欠如
3 情景描写の欠如


1の回想的モノローグとは、基本的に3人称で書かれているケータイ小説のなかで、急に挿入される1人称の回想のこと。

たとえば、『恋空』には、
あの幸せだった日々は嘘じゃないそう信じていたから。
でも、もう本当にダメだね。
もう本当に本当に二人はダメになっちゃったんだね。(上巻206ページ)
という回想的モノローグがあるのだとか。

で、こういう表現・文体が、まさしく「あゆ」の歌詞に似ているんです。
実際、著者が例にあげていた、
季節の変わり目を告げる風が吹いて
君を少し遠く感じる自分におびえたよ
ふたりまだ一緒にいた頃 真剣に恋して泣いたね
今よりキズつきやすくて でもきっと輝いていた(FRIEND)
の歌詞なんて、ケータイ小説の一節だと言われても、見分けがつかない気がします。


では、「なぜケータイ小説と浜崎あゆみがつながる」のか?
その答は、本書をじっくり読んでいただき、見つけてもらったほうがよいでしょう。

本書には「ケータイ小説=浜崎あゆみ=?」という図式がなぜ成立するのかが、非常に丁寧な取材をもとに書かれています。
その答え合わせは、ぜひ本を読んで、していただきたいと思います。


ところで、ケータイ小説と「あゆの歌詞」の共通点である、「固有名詞の欠如」。

これによって、ケータイ小説の文章は総じて幼稚な感じを与えているように思うのですが、同時にこの文体的特徴には、次のようなメリットがあるようにも思えます。

それはすなわち、その本が「私たちの物語」だと感じられる作用があるということ。


たとえば、昔(ってすごい昔だな)、田中康夫氏が書いた『なんとなく、クリスタル』には(当時の)おしゃれなブランド名や、流行の遊び場の描写がふんだんにありました。
で、出版後だいぶ経ってから本を読んだ僕にとっては、主人公が女性であるからとか以前に、その世界観が自分とは遠すぎて(古すぎて)、全然、「自分たちの物語」として楽しめなかった覚えがあります。

一方で、地名も学校名も(意外にも)ブランド名もほとんど登場しないケータイ小説は、その「透明さ」ゆえに、いろいろな地域に住む、生活様式が違う女の子たちにも、「私たちの物語」として受け入れられる、それが多くの読者を生む秘密ではないのかなと。

とまあ、最後の考察はおまけみたいなもので、本格的にケータイ小説について考えたい方は、ぜひ本書をご覧ください。


*当ブログへの献本は、以下のルールに則っていただける限り、歓迎いたします。
当ブログへの「献本ルール」を、ここらでハッキリ決めようと思います。


*なお、ケータイ小説関連本は、これこれに続き3冊目なんですが、さすがにもうお腹イッパイな感じです…
偉そうですみませんが、献本される方は、どうかご配慮を。
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by aru-henshusha | 2008-08-19 02:49 | 本・出版
これは書店を回っていて気づいたことなんですが、最近の「話し方本」、やたら「秒」を争う事態になっています。

まずは、古き良き、「分」の時代の話し方本から。

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たった1分でできると思わせる話し方

レビューの酷評っぷりがすごいです…
(書名とは関係ないか)

それでは、「秒」の世界へようこそ。

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30秒でつかみ・1分でウケる雑談の技術

まだ、かろうじて「分」が残っています。
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たった20秒!“あッ”という間の説得術

1分で3回も説得できるの?!
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言いたいことが確実に伝わる17秒会話術

15秒では、ちと速いんでしょうか…
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どんな人とも10秒でうちとけて話せる本

本当ならば僕がほしいです。
そのうち「1秒」とか「0・5秒」なんて類書も出てくるんでしょうかねぇ。
(「コンチハ!」ぐらいしか言えないって…)

ちなみに話し方本にかぎらず、「秒」がついたタイトルは、最近のビジネス書のはやりです。

*参考

最近の出版界で流行している7つのキーワードで、「最強のタイトル」をつくってみた。 第2章

人のことは言えませんが、これもせわしない世の中の表れかもしれません。
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by aru-henshusha | 2008-08-19 01:35 | 本・出版
夏休み中も、泣くのを通り越して笑いたくなるほど仕事三昧だった、ある編集者です。
相変わらずやらねばならぬ仕事が多いのですが、ブログの更新もぼちぼちと。

今日は、仕事周辺ネタをいくつか更新します。最初は珍しく「ほぼ日」ソースで。


『人生という名の手紙』 担当編集者/フリー編集者 青木由美子(ほぼ日刊イトイ新聞 -担当編集者は知っている。)
タイトルに困ると、電車に乗る。
そこには必ず、読者がいるから。

素のままの普通の人たち。
メールを打つ人、眠っている人、酔っ払っている人。
この人たちの心に、直球で届くタイトルは? 
考えるうち、つい自分も眠ってしまう山手線。

もっと困ると、カラオケやDVD屋に行く。
古い歌謡曲の歌詞や、名作映画のタイトル。
「人肌になじんだ言葉」には必ずヒントがあるから。

飲み惚けた目に、蛍光色がまぶしい都内某所レンタル店。
つい関係ないDVD(『トラック野郎』)を借りてしまう。

――そしてタイトルは、降りてきた。
この「人肌になじんだ言葉」というフレーズ、なるほどなぁと思いました。


むろん、新しい風俗や事物を扱った本の場合、「なじみのない言葉」をタイトルにするときもあります。

しかし、たいていの本の場合、「人肌になじんだ言葉」、欲を言えば、「そのなじみが忘れかけられている言葉」がタイトルにくると、読者をハッとさせられるように思います。

ここ数年だったら、「品格」という言葉が、その最たるものではないでしょうか。

人肌になじんだ、なじみすぎた言葉ながらも、あのタイミングでタイトルになると「古新しい」気がしました。


ちなみに、この「人肌になじむ」という表現からして、十分「なじんでいる」言葉だなと思います。
青木さんは元某社のヒットメーカーだと聞いていますが、やはり一味違うものです。
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by aru-henshusha | 2008-08-19 01:09 | 本・出版