ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha
c0016141_2352097.jpg今回取り上げるのは、知人を通じて著者から献本いただいた本。
(桜の咲く季節にいただいたのに、いまごろの紹介で申し訳ない…)

公務員の異常な世界

この本には、タイトルどおり、公務員の「異常」なまでの厚遇が書かれている。

その厚遇ぶりは、出版社といえども、(やたら給料の高い御三家と違って)しがない中小企業に勤めている僕には、にわかには信じがたいほどである。

c0016141_23583618.jpgだからこそ僕は、今回あえて、この本と対極にある本を(こちらは自腹で)購入した。
同じく新書で出ている、

実は悲惨な公務員

がその本である。

両書を読み比べて、公務員の待遇は「異常」なのか、思ったよりも「悲惨」なのか、自分なりの結論を出したかったのだ。


で、結論から先に言う。

公務員は、(民間の僕から見ると)やっぱり「異常」である。


ここでは一つだけ例を挙げる。

例が一つでは説得力に欠けるとは思うけれど、両書の一番対照的な面が出ていると思うので、お許しいただきたい。


『公務員の異常な世界』の中に、公務員宿舎の家賃の話が書いてある。

「〇七年に国家公務員宿舎使用料の引き上げがあり、おおむね一番新しい宿舎で標準の六三平米の規格なら、一応都内ではどこでもだいたい四万円という形になります」

これ、めっちゃ安くないですか?
事実、同書には、「都内の単身用の三〇平米未満のマンションの平均家賃」が「九万七五五〇円」と出ているぐらいである。


ところが、『実は悲惨な公務員』では、宿舎の話が「悲惨」なエピソードとして語られている。

同書によれば、公務員宿舎の4割前後が築30年以上のオンボロ物件であり、世間で言われるほど恵まれてはいないのだ、という理屈である。

しかしながら、同書にはそのオンボロ物件に住む公務員のこんな声も紹介されている。

「たしかに四〇平米強、2DKまたは3Kで月二万円しないのならば、どんなにボロくても受けいれなければいけないのでしょうね」

これ、いったいどこが「悲惨」な話なのだろう?


そもそも、宿舎というのは強制的に入らされるものではないはずだ。
二万円の家賃でも我慢できないぐらいボロい物件なら、即座に部屋を出て、「普通の家賃」のマンションに入ればいい話ではないのだろうか?

民間の宿舎とは無縁の中小企業のサラリーマンは、もっと高い家賃を払って、もっと狭い部屋に住んでいる。
僕も含めて、普通のリーマンからしたら、何を贅沢な悩みを言っているんだろう、と腹立たしいぐらいである。


残念ながら、『実は悲惨な~』の記述は、一事が万事、この調子である。

「僕らは世間が思ってるほどいい暮らしはしてませんよ~」というその暮らしとやらが、ごく普通の民間企業に勤めてる人間からしたら、十分「豊か」なのだ。

これを「悲惨」だと思うのは、当の公務員たちだけではないか。


最後に、言い訳ではないが、僕はこの記事で公務員批判をしたいわけではない。

僕が一言物申したいのは、たいして悲惨とも思えない暮らしぶりを「悲惨」と形容する本の著者であり、より根源的には、そういうタイトルを許容した(というか、多分、率先的につけた)光文社新書の編集者である。
*注:タイトルは著者・編集者主導とは限らないという指摘があるので、興味のある方はコメント欄をご覧ください

まあ、半期のボーナスが300万を超える光文社の編集者にとっては、こういう暮らしも「悲惨」なのかもしれませんけどね……
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by aru-henshusha | 2008-06-09 00:38 | 本・出版
記事のずいぶん瑣末なところをピックアップしてしまいましたが……

ドラえもんのお陰?「のび太首相」に中国ブロガー大喜び
「ドラえもんのお陰?」「のび太が首相に」……。福田康夫氏が25日、国会で首相に指名されたことで、日記風のホームページ、ブログを営む中国のブロガーらが興奮しつつ「のび太首相」の誕生を祝っている。中国でもドラえもんは大人気だが、野比のび太の中国語名は「野比康夫」。福田氏の顔もどことなく「のび太」に似ているとの不謹慎(?)な指摘もある。
「のび太=康夫」、漢字のイメージからすると、
まあ、わからないわけでもありませんが……
(でも、康夫と言われるとつい田中康夫を思い出してしまいます)

ちなみに、すこし検索したら、こんなページが引っかかりました。

ドラえもんの登場人物・中国語訳?


ジャイアンは、中国語でも強そうです……
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by aru-henshusha | 2007-09-26 01:11 | 名言・言葉
c0016141_120693.jpg先日、田中森一氏と、佐藤優氏の対談目当てで、

PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版

を買いました。
(決して金髪お姉ちゃんのグラビア目的ではありません)

ともに国策捜査の「犠牲者」となった二人が、国策捜査の必要性の有無とその真の黒幕について語る内容はなかなか読みごたえがある記事でした。

ところで、その最後のほうに、仕事柄見過ごせないこんな記述が。


佐藤 先生、今現在『反転』(*田中氏の著書)は何万部くらい出てるんですか?
田中 今ちょうど20万部だね。
佐藤 僕ね、この本の一つの分水嶺は50万部と睨んでるんです。50万の線を超えたらテレビドラマか映画になる。普通の商業主義の論理でいえば、20万でそういう動きがあってもいいと思うんですが、東京地検を敵に回さなきゃいけないことと、具体的な任侠団体の人が出てくるということで、プロデューサーは悩むと思うんです。
田中 そこが難しそうだもんね(笑)。
佐藤 ただし、50万部を超えれば本気で知恵を出そうという気持ちが芽生えるはずです。そしてそれが巻き起こったときには新しいスパイラルに入ってくる。
田中 つまり、それは検察という組織に対して?
佐藤 おそらく今の段階で検察に勝つ方法は一つだけです。それは先生、あるいは僕からのメッセージが検察が発するそれよりもおもしろく、かつ金になること。今のところは検察からのメッセージのほうが金になります。何せコストがかからないんですから。今、我々の著作は二人合わせても40万部にすぎません。それじゃ何の力も持たない。ところがこれが人口の1パーセント、百分の一になったら影響が出てくると思うんです。
なるほど、テレビや映画といったメディアに比べると、本の影響力(とくに広い層への)は微々たるものかもしれません。
たとえ50万部といっても、国民の0・5パーセントにも読まれていないわけですし。

ただ、だからといって、ミリオンセラー以上の本がやっと「力」をもつのだと言う気もありません。
実際、『国家の品格』が200万部以上売れても、この国に品格の大切さがよーく伝わったというわけでもないでしょう。


思うんですけど、本自体がもつ力って、もともと「細い」気がするんです。
その力(メッセージと言ってもいいでしょう)は、テレビみたいに国民の何割かにいきなり届くようなものではなくて。

そのかわり、本の力はうまくはまれば、細く長く人の心に根づくものなんじゃないかなぁって。
1冊の本に心を揺さぶられた経験が何度かある僕は、そう思います。


その意味で、200万部出た大ベストセラーであろうと、2000部程度しか売れなかった専門書であろうと、「力」がないわけではないと思うんです。

あとは、その力に触れた人が、どう行動し、その力を増幅していくか。
本の力って、そうやって玉突き式に、大きくなっていくんじゃないかって。

ただし、その即効性のなさが、歯がゆい人もいるんでしょうね。
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by aru-henshusha | 2007-08-28 01:17 | 本・出版
家で仕事をしているときなど、あの大声には相当イライラするものですが。

選挙カーでの名前連呼は効果あり?(Yahoo!ニュース)

上のアンケートですが、73%の人が(選挙カーでの名前連呼は)「逆効果」だと答えています。

かといって、まったく名前を言わない戦術を採用したら、名前を覚えてもらえないリスクが高そうですから、この結果を見たところで、これからの選挙も「連呼派」の候補者は減らないんでしょうねぇ……

もっと静かな選挙戦のアイデアって、ないものでしょうか?
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by aru-henshusha | 2007-04-23 03:10 | 政治
こういう記事を読むと、「安倍さんよりも、よっぽど影響力があるんだなぁ、この人は」と思います。

鈍感力ブーム(あじさい日記ブログ〜美人編集者のつぶやき)
昨日(2月21日)の新聞記事をお読みになられましたでしょうか?

小泉純一郎前首相が、安倍首相について「鈍感力が大事だ。支持率が上がったり下がったりするのをいちいち気にするな」と発言した、と報じられました。

言うまでもないのですが、この発言は、渡辺先生の新刊本「鈍感力」(集英社)を受けてのもの。

版元の担当者によると、小泉発言以前にも、10万部(エッセー本としては異例の数字)を突破していたそうですが、これを機に、18万部に増刷されたようです。
むろん、それ以前に10万部出ていたというのもすごいのですが、一気に8万部増刷だものねぇ。
かなりのインフルエンサーぶりですよ。

ところで、一部の報道以外では、記事中にこの本の情報が出ていなかったように思います。


みんな、元々そういう本が出ていたことを知っていたのかしら?
それとも、「鈍感力」って聞いて一斉にググッったんでしょうか?

そのとき、消費者がどう反応したのかが気になります。
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by aru-henshusha | 2007-02-23 02:04 | 本・出版
作風の好き嫌いはあれ、かなりうまいんではないでしょうか。

実は画家でもある慎太郎(石原慎太郎公式ウェブサイト)

それにしても、「デマゴーグ」「斬る」「書けない詩人」と、いかにもなテーマの絵を描いてますなぁ。
(実際に描いたのは17歳のときみたいですが)
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by aru-henshusha | 2006-06-01 19:43 | 芸術
「ダ・ヴィンチ・コード」とかけて「小泉改革」と解く
その心は「分かりやすい映像」に潜む功と罪
(NBonline)

企画書などの資料をパワーポイントで作るときは、できるだけ文字数を少なくして図表を入れるのがポイントだなんて言いますが……
(↑これでぴったり60字)

小泉さんの場合は、たんに長い文章の読解が苦手なだけなのかも。
ワンフレーズの人ですからねぇ。

高橋メソッドで資料を作ると喜ばれるかもしれませんよ、官僚の皆さん。
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by aru-henshusha | 2006-05-30 13:16 | 政治
杉村太蔵ブログ 「ゴーストライター説」を追う(JIN ビジネスニュース)

上の記事には、例の盗作騒動にからめて、杉村太蔵のブログがゴーストライターの手によるものなんじゃないか、と書かれている。

僕もその可能性自体は否定しないけど、ちょっと気になる(というかつけ加えたい)ことが一つ。

それは、「ゴーストライター=(必ずしも)著者のかわりにゼロから書く人」ではないということ。
(これについては、松永さんが詳しく書いているから、興味のある方はそちらをどうぞ。
ゴーストライターとは何者か

ようするに、タイゾー君の場合も、第三者の一方的な創作ではなくて、

彼が一つのテーマについて話す→(ライター、あるいは関係者が)聞いてそれをまとめる

というスタイルで、ブログの記事が制作されている可能性もあるんじゃない?

ブログはほぼ毎日更新され、分量は多いときには1,500字を超える。
忙しい国会議員には負担にならないのだろうか


って最初の記事にはあるけれど、1500字なんて、5~6分も話した内容を一字一句起こしていけばすぐ埋まるから。

どんなに忙しくても、仕事の合間にブログのネタをボイスレコーダーに入れて書き手に渡せば、数時間後に記事いっちょ上がりってことも十分あり得る。
(言葉が足りないところも代筆者が補えば、内容・分量ともに増えるしね)

いちおう政治家なんだし、松本伊代ばりの「丸投げ」はやってないのでは?
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by aru-henshusha | 2006-05-25 20:33 | ネット・コンピュータ
しばらく更新休止していましたが、今日からまた、通常ペースで更新していきます。
復活1本目はこれ。

<麻生外相>「マンガノーベル賞」創設などの構想明かす(exciteニュース)

この人、本当にマンガが好きなんですよねぇ。

「鉄腕アトム」や「ドラえもん」を例に挙げ、「ロボットは善玉というイメージが海外で根付いた。その結果、日本製の産業用ロボットがよく売れ、生産性が上がった」

というエピソードは、自身のHPでも、くり返し披露されています。

『コミックの効用』
麻生太郎 コミックを語る

いっそ、日本初の「マンガ大臣」にでも就任したらいかが?
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by aru-henshusha | 2006-04-29 15:13 | マンガ・アニメ
見出しだけ読むと、「?」ですが……

民主・小沢代表の「日本改造計画」 小沢一郎さんが復刻(asahi.com)
民主党の小沢一郎代表のかつてのベストセラー「日本改造計画」が、絶版になって以来8年ぶりに復刻される。出版元の講談社に「読みたい」という声が相次いだためだが、担当編集者の名前もなんと小沢一郎さん(48)。
というわけで、同姓同名の編集者が担当するんだそうです。

小沢先生ですか? いつもお世話になっております。講談社の小沢でございます

といったやり取りがあるんでしょうか。
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by aru-henshusha | 2006-04-19 13:07 | 本・出版