『就活のバカヤロー』は、じつは「頭がいい」タイトルなのだ。
2008年 12月 15日

という、一度聞いたら忘れられないタイトルのこの本は、かなり前に著者から献本いただきました。
多忙で紹介できないうちに、あれよあれよと売れて(→「就活のバカヤロー」新書がバカ売れ 学生も企業も大学も茶番?/著者ブログによれば現在7万部突破とか)、けっこうな数の書評もされているご様子。
いまさら内容を論じるのもアレなので、今回はこの本のタイトルに絞って記事を書こうと思います。
さて、僕は著者とは古い付き合いということもあり、本が出る前からこのタイトルについては聞かされていました。
最初は、たしかにインパクトがあるタイトルだと思いましたが、けれど、その「言いっぱなし(タイトルが先行しすぎで、中身がよくわからない)な感じ」が多くの読者に受け入れられるのかどうかは、内心、心配もしていたのです。
しかし、フタをあければ、本書は売れに売れています。
これは、就職状況の急激な悪化の追い風も受けているとは思うのですが(注 就職難のほうが就活本は売れるので)、やはり、このタイトルの力も大きいでしょう。
後出し承知で言いますが、このタイトルは「シューカツ」に翻弄される学生、また、そんな学生に振り回される大学・企業の「心の叫び」を、どストレートに表現しています。
僕自身、出版社を数十社受け、不採用通知の嵐に見舞われていた学生時代は、まさに思いっきり「バカヤロー」と叫びたい毎日でした。
けれど、喉元過ぎればなんとかで、この業界に勤めてウン年たつと、その感覚を忘れてしまうのですね。
その点、本書の著者や編集者は、学生・採用担当者・就職課の職員という、立場が異なる3者に共通する叫びをすくいあげている。
「バカヤロ」ーという乱暴な響きのわりには、これは随分と「頭のいい」タイトルなのです。
それにしても、我ながら、売れた後にああだこうだ言うほど簡単なことはないですね。
この本を世に出す前から、ある程度の確信を持ってこのタイトルをつけた関係者たちの「頭のよさ」を讃えて、記事のシメとさせていただきます。
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