出版社の初任給は、昔も今も「かたい」ところほど高いらしい。
2009年 01月 14日
「100年に一度の危機」とやらを意識したわけではありませんが、まずはお金の話から。
下に転載するのは40年近く前の出版社の初任給(高い順)。
・各社の初任給
大卒 高卒
岩波書店 50,901円 40,071円
日本評論社 38,800円 33,000円
正進社 38,300円 29,000円
平凡社 37,250円 30,200円
中央公論社 37,050円 26,250円
光文社 35,310円 -
小学館 35,260円 26,820円
集英社 35,260円 26,820円
河出書房 35,100円 27,700円
リーダイ 35,000円 27,500円
医歯薬出版 34,300円 28,300円
講談社 34,135円 26,850円
角川書房 34,120円 29,460円
中央経済社 34,000円 25,000円
医学書院 34,000円 27,600円
有斐閣 33,600円 28,000円
南山堂 32,300円 26,800円
(以下略)
(出版労協調べ・昭和42年8月現在)
*(引用元:鈴木 敏夫 氏より (書籍「出版~好不況下興亡の一世紀」より))
で、次が最近のデータ。
順位 出版社名 初任給(大卒)
1位 福音館書店 432,850 円
2位 マキノ出版 303,650 円
3位 医歯薬出版 297,955 円
4位 医学書院 284,000 円
5位 集英社 276,055 円
6位 小学館 260,177 円
7位 芳文社 258,400 円
8位 南江堂 256,120 円
9位 光文社 254,600 円
10位 ダイヤモンド社 249,542 円
11位 東洋経済新報社 248,355 円
12位 中央法規出版 242,973 円
13位 主婦の友社 241,554 円
14位 大修館書店 240,900 円
15位 岩波書店 240,000 円
16位 学習研究社 236,800 円
17位 日本実業出版 235,000 円
18位 世界文化社 235,590 円
19位 日本文芸社 233,700 円
20位 新美容出版 232,200 円
※出版労連「出版産業賃金労働条件資料集2007年」より
(引用元:主な出版社の初任給)
さて、「かたい」ところほど高い、と言ったのは、いわゆる大会社だけを指した話ではありません。
規模は小さくても、医学だとか教育だとか経済だとか、「かたい」内容の本を多く出している会社の場合、本の単価が高く、また教科書として採用されることも多いので、「かたい(=安定した)」経営状況を反映し、初任給も高くなるケースが多いようです。
*もちろん、以上は出版労協(→労連)に加盟している会社のデータの抜粋ですから、そうじゃない会社で初任給が高いところもあるでしょうが
しかし、給料ネタは折に触れやっていますが、書き終えたあと、毎回言い表しようのない虚しさを覚えるのはなぜかしら……