本の値段は、素人が思っているほど高くはない。
2005年 04月 12日
本は高いか、安いか? 本の適性価格とは
僕も正直、この業界に入るまでは、本の値段(文庫や新書は除く)は、けっこう高いんじゃないかと思っていた。
でも、自分が1冊本を作るのに、どれくらいのお金がかかるかを知って、その考えは変わってきている。
自社のデータを出すわけにはいかないので、ネットで公開されている一般的な例を見てみよう。
1.10 初版原価と重版原価(太郎さんと花子さんの出版技術講座)
まず注目していただきたいのは、次の部分。
「昨年の書籍出版協会の調査資料でも、平均的な定価付けが直接製造原価の3倍程度となっており」
ここで言う直接製造原価とは、紙代・DTP代・印刷代などだ。
直接製造原価の3倍程度で定価がついているということは、逆に言えば定価の33%くらいが直接製造原価でしめられているわけだ。
次に考えてほしいのは、本を作るのに必要なお金は、(当たり前だが)直接製造原価だけではないということ。
販売費、広告費、人件費(僕らの給料)などが、必要経費に上積みされる。
そもそも、出版社が取次に本をおろすときは、正味といって定価の何割かでおろしている。
仮に正味が7割だとしたら、
定価×0.7-(直接製造原価+その他の経費+印税)=出版社の儲け
となる。
(とか書きながら、この辺かなり自信ないや。間違っていたら申しわけない)
まあ、長々と書いたけれど、本1冊を売っても、大した儲けにはならないのである。
もちろん、何を高いと感じるかは人それぞれの感覚の問題だから、本が高いという人がいてもしかたがないと僕は思う。
でも、もしも出版社の定価付けが不当に高く、暴利をむさぼっていると思っている方がいたら、すくなくとも普通の書籍の場合、そうでもないんだよとだけは記しておきたい。
もっとおいしい商売は、この世にいくらでもあるはずだ。
だいいち、そんなにボロい商売だったら、僕、もっとたくさんお給料もらってますから……

