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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

「地震のあとで」、考えたこと(ヒトリゴト69)

すごくすごく久しぶりです。
ある編集者です。生きています。


東京で地震にあっただけで大げさな、と思われそうですが、
昨日オフィスで、最初の大きな地震に遭遇したとき、
正直、死ぬかと思いました。

ビルの構造(しかも、それは安全性を考えた構造なのでしょうが)のせいか、
縦揺れがひどく、エレベーターは止まり、あちこちでゲラや本が散乱し、
社内も社外も騒然としているし、そのあとも、たえまなく余震が続く。

間違いなく、僕が生きていた中で体験した、一番大きな地震。
その地震のさなか、そして「地震のあとで」、考えたことがいくつかあります。


一番最初に考えたことは、身も蓋もないですが、
「この会社で死にたくない」ということでした。

この会社で死ぬ、というか、多分、
この会社の一員のまま死ぬということにたいして、
僕は納得はできないな、と思いました。

それは、自分の真意に気づかされたというより、
前々からの思いの再確認と言ったほうが正しいのですが、
僕の死に場所はここでない、と改めて感じました。


同時に、これはまだまとまっていない考えのメモにしか過ぎませんが、
自分はもしかすると、「編集者として死にたくない」とも、
あの場で思っていたかもしれません。

編集という仕事は、相変わらず好きですし、
毎日バカみたいに働いています。

でも、その生活が本当に自分が望んでいることなのか、
建物が揺れるとともに、心もグラッときました。
その「震源地」については、しばらく考え続ける予感がします。


また、「地震のあとで」、色々な人の安否を確認しようと連絡を取りました。
そして、これも身も蓋もないことですが、
いま、自分が大切に思う人が誰なのか、ハッキリしました。

むろん、それはこちらのone-wayな思いの発露でしかないのですが、
割と優柔不断な僕にとっては、いい経験でした。

あと、普段はウザいくらいに感じてた親からのメール、
昨日だけは嬉しかった。本当、生きているだけで何より。


いい機会ですから、「地震のまえに」考えていたことも、
あわせて書いておきましょう。

このブログ自体は全然更新していないのですが、
いまはツイッターやらフェイスブックやら、
あるいは●●社の××としては、たまにブログを更新しています。
(僕の実名を知っている方は、よかったら検索してみてください)

ある時期から、匿名よりは実名で発信するほうがメリットが大きいと考え、
そうしてきました。
実際、「ある編集者」じゃない僕を知る人も業界ではけっこう増え、
仕事にもいい影響が出ています。

ですから、このブログは(生身の自分と最終的にひもづけるかは迷いますが)、
どこかで完全に更新をストップしようと思っていました。


けれど、「地震のあとで」、やはり考えが変わりました。

僕がいま、本当に書き残しておきたいことは、
ツイッターでもフェイスブックでも、ましてや社名を背負ったブログでもなく、
やはり「ここ」に投稿すべきじゃないかと思いました。

「ある編集者」の正体を知っている方からすれば、
それは中身がバレバレの「マスクマン」の悪あがきなのかもしれません。
でも、いまの僕には、その「マスク」が大事なんです。

ここに書いただけで、魔法のように色々なしがらみが消えてしまうわけでもないですし、
生身の僕と結び付けて「××、あんなこと書いてたよな」と噂されたりもあるでしょう。

だけど、僕はやっぱり「ある編集者」としてキーボードをたたくとき、
ちょっとだけ強く、ちょっとだけ素直になれる気がして。

「ある編集者」のマスクをつけて書きたいことが、
きっとこれからも、節目節目であるように思います。

そんなことを「地震のあとで」考えて
久しぶりにヒトリゴトを言ってみました。


「自分の家」なのに、ちょっとあけすぎたようですね。
ともかく、ただいま。

しばらくすると、またどこかに遊びに行ってしまうかもしれないけど。
でも、ただいま。


*色々書きましたが、このブログのケアにかけられる時間が一番少ないので、
コメント欄とかスルー&お眼汚し状態になることをお許しください

by aru-henshusha | 2011-03-12 10:45 | 不定期なヒトリゴト。