著者に自信をもたせるのも、編集者の仕事である。
2005年 05月 16日
自信のない著者
どんなに著名な作家だって、いつも不安と戦っている。一度認められさえすれば永遠に作家でいられるとは限らない。どの職種でも、いつ剥奪されるかわからないという不安があると思うけれど。
という部分には、まったく同感である。
もちろん、編集者だって売れない本ばかりつくっていれば、他の部署にまわされる可能性はあるだろう。
でも、僕らには、著者と比べてまだチャンスがある。
一冊二冊売れない本をつくっても、次の本で取り返せばいい。
だけど、著者は一冊一冊が勝負なのだ。
ある程度の実績がない限り、売れなかった一冊の評価がついてまわる。
(この記事に書いたことに関連があるけれど、著者にとっての一冊と編集者にとっての一冊は、大きく意味合いが違う)
だからこそ、ときには著者を勇気づけ、自信をもたせるのも編集者の仕事だなと、強く思う。
彼らの安を打ち消すことはできなくても、少しの間共有したり、忘れさせることぐらいはできるのだから。