ブログの書籍化は、次の段階に入っているのかもしれない。
2005年 06月 01日
【ブログを本に】
この記事の末尾に、週刊朝日の友澤さん(知人がお世話になっています)がまとめた、「編集者が本にしたくなるブログの条件」なるものが載っている。
具体的には以下のとおりだ。
・本音や実話がさらけ出されている(アメーバーブックスの木暮さんの話より)
・テーマにのめり込んで没頭している。(ココログの話より)
・コメント欄やトラックバックが活発(ライブドアの話より)
さて、これらを読んで一つ気づいたのは、あくまで「ブログサイド」の人の意見だということ。
もちろん、どれもブログの書籍化で重要なことだとは思うが、「編集サイド」の人間として、一つ付け加えたいことがある。
それは、「そのブログの味が、本で再現できるか」ということだ。
たとえば、毎日毎日、美しい風景写真をアップして、話題になっていたブログがあるとする。
ところが、そのブログを書籍化する際、予算の都合上、オールカラーの本にはできなかった。
この時点で、その本はもう終わっている。
何せ、もとのブログを見ればカラーの風景写真が、ただで見られるのだ。
お金を出して、劣化した内容の書籍を買う必要はまるでない。
これは、あくまで一例で、ほかにもブログの味を再現できないシチュエーションはあるはずだ。
(いろいろなニュースへのリンクが特長なのに、そのニュースの転載許可がおりないブログとか、コメント欄が面白いのに、紙上でうまく再現できないブログとか)
そういった点を考えると、はなから書籍化を想定して書かれていたブログのほうが扱いやすい。
あと、これは余談だが、ブログの純粋な書籍化はそろそろキツイ、というのが出版関係者のホンネではないか。
一時は話題になっても、実際には売れていないブログ本だって少なくない。
(**っちょ&はあ***なんて、実売見たらビックリすると思う)
ブログの書籍化、すくなくとも売れる書籍にするのは、容易ではない。
むしろ、これからは、ブログはあくまで顔見世で、書籍は書き下ろしでというスタイルのほうが増えてくるのではないかと勝手に予想している。