やりたい企画と、通しやすい企画。
2005年 06月 09日
いや、べつに大したことじゃないんだけど、せっかくなので、その嬉しさの中身について書いてみたい。
じつは今日、僕が提出していたある本の企画に、上層部から正式に許可がおりた。
書籍の編集者は、企画を立てて通してなんぼの世界なので、それぐらいのことでイチイチ喜ぶなよと思う方もいるだろう。
でも、今回の企画は、僕がどうしてもやりたかった企画なのだ。
前の会社にいたときから感じていたことだけど、企画には「やりたい企画」と「通しやすい企画」がある。
いや、より正確に言えば、その2つにくわえて、「やりたくない企画」と「通しにくい企画」も存在する。
これらの企画を組み合わせると以下のような関係になる。
やりたくて、通しやすい企画 | やりたくないけど、通しやすい企画
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やりたいけど、通しにくい企画 | やりたくないし、通しにくい企画
もちろん、毎回「やりたくて、通しやすい企画」を出せれば、それにこしたことはない。
だけど、自分が「やりたい企画」にかぎって、会社的には「通しにくい企画」だというケースはよくある。
(「通しにくい企画」の条件は様々あるが、たとえば社のカラーに合わないといったこと)
このとき、人によっては「やりたくないけど、通しやすい企画」を出すように方向転換することもある。
あるいは「やりたいけど、通しにくい企画」にこだわって、結果を出せないまま悶々とする人もいる。
どちらも、あまり望ましい状態ではあるまい。
今回の僕の企画は、結果的には「やりたくて、通しやすい企画」の範疇にはいるものだったかもしれない。
それでも、どうしてもやりたい企画だったから、通すための努力は怠らなかった。
自分がやりたい企画をやる。
編集者にとって当たり前のことだけど、その当たり前がこんなにも嬉しいことだとは。
今日の酒は、いつにもまして美味であった。