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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

著者と編集者の関係を考える。2

それでは、下のエントリーの続き。

編集者が「編集者の仕事」と線引きしたがるのには、ほかにも理由がある。
実際には、次の理由のほうが大きいだろう。

すなわち、編集者はとにかく忙しい

著者にとって、本は「かわいい子供」みたいなものだろう。
だから、その制作工程すべてに口を出したい気持ちは分かる。

だが、そのすべてを受け入れると、ずいぶん時間がかかる。
カバーのデザインひとつとっても、著者とのやりとり、デザイナーとのやりとりと、関係者の意図を「交通整理」するだけで、通常の2倍、3倍の時間を要するだろう。

出版社により差異が大きいのを承知で言うが、ふつうの人が思う以上に、1冊の編集にかけられる時間は短い。
原稿をもらってから、ヨーイドンで作り出して、1ヵ月後に本ができているなんてのはざらである。
しかも、たいていの編集者は、同時に違う本への仕込みにも駆けずり回っている。
1冊の本にかけられる時間は短いから、どうしても作業を効率化したがるのだ。

もちろん、このような状況でも、著者の意向をできるだけ反映しようと、東奔西走している編集者もいるはずだ。
(岡本氏が出会ったような、フォレストさんの編集者の方は「当たり」である)
とはいえ、各出版社・編集者の抱える物理的な事情によって、著者の意向が反映されにくいケースがあるのも、幾分しかたがないこととは言えよう。

ともあれ、著者と編集者の関係は、100組あれば100通りの関係があるはずだ。
何がベストだとは言えないが、お互いが気持ちよく仕事をできたなら、それなりの本ができると信じている。

*編集者は忙しいとか言いながら、こんなに長文を書いてしまった。
べつに暇なわけではない。このテーマは誤解ないよう真面目に書きたかったのと、いま手元にある原稿があまりにつまらなくて、つい現実逃避してしまっただけだ。
by aru-henshusha | 2005-01-05 13:58 | 本・出版