初めて本を書くということは、こういうことか。
2005年 07月 13日
用件を聞くと、会って話したいことがあるという。
何かトラブルでもあったかと心配で、都内某所まで出向いた。
駅ビルの喫茶店で話を聞くと、「いや、じつは書けなくなってしまって……」と申し訳なさそうにいった。
どうやら、執筆が行き詰ってしまったらしい。
もっとも、さらに話をすると、彼の「ひっかかっていること」が見えてきた。
正直、「そんなところにひっかかるかな~」というレベルの問題。
いちおうの解決策を提示すると、「これでスッキリしました」と安心していただけたようだ。
じつは、この著者、本を書くのが初めての著者である。
だから、今回の件にかぎらず、いろいろな相談の電話やメールがくる。
僕は、いままでベテランの書き手と仕事をすることがほとんどだったので、その質問攻めには新鮮な印象を受けている。
そうか、初めて本を書くということは、こういうことか。
ちょっとしたことにひっかかって、筆がとまり、本の構想が行きつ戻りつする。
それに付き合うのは、なかなか大変なことだけど、同時に著者が少しずつ成長していくさまを見られるのは嬉しい。
どんなベテランの書き手でも、初めて本を書くときは、こんな感じだったんだろうなぁ。
もちろん、初めて本を編集したときの、僕自身も。