「時間対効果」について、もっと考えてくれないか?(ヒトリゴト。14)
2005年 09月 09日
社会人になると、よく「費用対効果」という言葉を聞くと思う。
言わずと知れた、ある事物にかける費用と、得られる効果を対比した言葉である。
われらが出版業界でも、「費用対効果」を重要視する風潮は、年々強まっているはずだ。
近年ずっと右肩下がりの業界で、その感覚がなければ、会社は早々と路頭に迷う。
けれど、そのいっぽうで、「時間対効果」について考えている人は、あまりいないように思う。
会社という組織は、思った以上に時間のムダが多い集団である。
時間ばかりかかって、やらなくてもいい仕事やら会議やらを、嬉々としてやっている輩がいる。
「費用」のムダは気になるくせに、「時間」のムダが気にならないのはなぜだろう。
僕は、心底不思議に思う。
時間をムダにするということは、まわりまわって、経済的に損失を受けることにつながる。
そんな単純な事実がわからない愚か者が、会社にいかに多いことか。
下っ端の人間はともかく、人の上に立つ人間(ようは上司だけど)は、もっと「時間対効果」について考えてくれないか。
出版点数が足りないとか、売り上げが少ないと言う前に、まずは、どうでもいい会議と誰も見ないような書類の作成を減らせよ。
「Time is money.」は常識である。
その感覚を持ち合わせていない人間に、俺は何を期待すればいい?