企画を生かし、著者を殺すということ。
2005年 10月 04日
その企画のテーマは、僕が普段思いつく企画とは、かなり毛色が違うものだ。
だけど、そういうテーマの企画もアリだよな~と思って、企画書にまとめ会議にかけた。
数日後、社のお偉方から、その企画についてこんなことを言われた。
「あれ、企画としてはアリだけど、著者はナシだね」
ようするに、「企画は生かして、著者(そのライターさん)をかえろ」ということらしい。
この人よりも、もっといい著者がいるだろう、なんてことも言われた。
こういうケースは、多分、どこの版元でもあるんだと思う。
でも、僕としては、素直に「はい」と言えないところだ。
そのライターさんが持ち込まなければ、僕はきっと、その企画を考えつかなかった。
いや、いつかは考えついたろうけれど、今、このタイミングで提出することはなかっただろう。
その企画は、僕のものであって、僕のものではない。
大げさに言えば、著者と僕との「共有財産」だ。
もちろん、会社の言い分だってわかるよ。
企画のテーマでいえば、会社として本を出さない理由はない。
いっぽうで、著者のネームバリュー・実績を考えれば、積極的に出す理由もない。
それくらい、僕にだってわかるけど。
僕にとって、その企画は、その著者あってのものである。
企画だけ生かして、著者の首をすげ替え、何食わぬ顔で本作りをする気にはなれない。
とりあえずは、著者を替えずに企画をブラッシュアップする方向で考えようと思う。
それでダメなら、企画自体をつぶすだけだ。
こういう考え方は、編集者として甘いのかもしれない。
けれど、それが僕のやり方である。
企画も著者も、できうるかぎりは生かしたい。

