実力があっても売れない作家を、どれだけ待ち続けることができるだろう。
2005年 10月 26日
売れっ子の小説家の中には、三十三冊目にようやく売れました、とか、苦節十五年なんていう人もいるけれど、そういった人たちが、どうして長期間、作家稼業を続けられたのかといえば、彼らは業界内では「いい」ことが明らかだったからなのだろう。
そうでなかったら、数冊売れない時点で、さっさと編集者から見放されていたにちがいない。
なるほど、こういうことは文芸ではありそうだ。
けれど、他のジャンルの書籍ではどうなんだろう?
たとえば、しっかりした内容のコンピュータ書を書く人がいたとして、その著作が毎回初版どまりだったら、編集者は彼に原稿を頼み続けるだろうか?
たぶん、よくて三社ぐらいから本を出して、その後はなしのつぶてになるパターンが多いんじゃないか。
もちろん、非文芸ジャンルでは、本当にいい内容の本ならある程度の数字は売り上げられると思うし、またとりあえず「便利な著者」として仕事がくるようなケースもあるはずだ。
ただ、いつまでも数字がついてこない著者にチャンスをあげ続けられるほど、余裕がある出版社・編集者は少ないように思う。
まあ、だからこそ僕らは、一冊一冊をしっかりと、売れるように作らなければいけないんだけど。
書き手にとっても、作り手にとっても、一冊一冊が勝負である。
*コメント欄にて補足いただいた点もあるので、ご参照ください。

