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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

色の濃い著者、薄い著者

今日は会社帰りに、池袋のジュンク堂でやっていた、トークセッション(一種の講演)に行ってきた。

出演者は、ジャーナリストの斎藤貴男氏と、もと赤軍派議長でいまは文筆業の塩見孝也氏。
「話すこともできなくなる日が……」というテーマのもと、おもに共謀罪について
語られた。

共謀罪とは「懲役・禁固4年以上の犯罪」のいずれかについて、複数で相談・合意すれば刑罰が科されうるもの。
大げさな例だが、若いサラリーマンが集まって、酔った勢いで「課長のやろう、ぶっ殺してやる」と言っただけで、逮捕される可能性が出てくるわけだ。

この共謀罪は、早ければ今年の通常国会で可決されるかもしれない。
こんな法律ができたら、僕らの「行為」ではなく「思想」自体が罰せられてしまう。
これはまずいぞ、というのが今日のお話の概要だ。

ところで、話は変わるが、出演者の斎藤貴男氏は、僕がとても好きな書き手の一人である。
また、同時に、僕がいま一番仕事をしたい書き手でもある。

だが、このての講演会で何度かご挨拶はしたものの、いまだ仕事の話はしていない。
一番の理由は、彼の「色の濃さ」にある。

斎藤氏の作品には、ほぼ一貫して「斎藤色」が、色濃く貫かれている。
「国家に隷従せず」「 安心のファシズム」「機会不平等」「サラリ-マン税制に異議あり!
」といった題名を見るだけでもわかるように、彼の著作は、国や企業といった「強者」に虐げられる「弱者(国民)」の側に立ったものが多い。

どれも、素晴らしい作品である。
だが、残念ながら、その色が、僕の勤めている会社に合わないのだ。
彼の色は、やはり、文春、岩波、筑摩あたりがお似合いである。

正直、うちの会社に合うのは、もっと「色の薄い」書き手の作品だ。
ほら、中○とか和○といった、どこの会社のカラーとも喧嘩しない、色のうっすーい著作を出す人たちがいるでしょう。

でも、ああいう人たちの本なんて、はなから作る気がしないんですよ。
僕は、色の濃い著者のほうが好きである。

けれど、そういう著者の作品は、どうしても会社を選ぶんだな~
by aru-henshusha | 2005-01-13 23:26 | 本・出版