本作りにも、スピードが求められる時代である。
2005年 11月 21日
Beta Bookとはいわゆる未完成の本である。PDFのみで配布され、正式出版の数ヶ月前からダウンロードが可能になる(無論無料じゃないよ)。
今日読んだのも途中途中リンク切れがあったり、適当に書いてあったり、図表番号が???になっていたりした。
しかしそれはそれで別に困らない。それよりもAjaxのような旬な技術は一刻も早く学びたいのである。
もちろん本が完成時には完全版のPDFをもらえるし、その間、誤字脱字を見つけたらウェブを通じてコメントすることもできる。
出版前にユーザーとともに成長する本なのだ。かっこいい。
こういうものがあるのを初めて知ったので「面白いなー」と思いつつ、同時に本(単行本)というメディアのスピードの遅さを再確認。
企画の仕込みやら、執筆期間、製作期間を考えると、本1冊作るのには数ヶ月、へたすると数年の時間がかかる。
当然、ネット、TV、ラジオといった非活字系メディアはもちろん、新聞、雑誌、フリーペーパーといった活字系メディアのなかでも本の速報性は劣る。
もちろん、本というものはもともとスピード重視のメディアではなく、整理された情報を手軽に持ち歩け保存がきくというところがウリなんだろうけど、同時に「ポイントをかいつまんで手っ取り早く教えてくれ」というニーズが特にビジネス書(法律書、工学書、パソコン書などもふくむ)あたりではあるわけで。
その傾向は、年々強まっているように思う。
スピードの遅いメディアにも、それなりにスピードが求められる時代、僕みたいにスローワーク(仕事が遅いだけですね)な人間はもっとがんばらないといけないなぁ、というお話。