人を選んで、選ばれる。編集者は嫌な仕事だ。(ヒトリゴト24)
2005年 12月 15日
連日、忘年会やらパーティがあるこの時期は、なおさらだ。
僕はたまった名刺を、折を見て3種類に分類する。
・仕事に関係のありそうな名刺(著者候補、PR媒体関係者などさらに細分化する)
・プライベートに関係のありそうな名刺
・どちらにも関係なさそうな名刺
の3種だ。
自分にとって「不必要」な名刺は、輪ゴムで無造作に束ねておく。
さすがに捨てはしないけど、特別な事情がない限り、見返すこともない。
名刺は折を見て分類すると書いたけど、本当は、出会ったときに分類自体は完成している。
名刺をもらう。社名を見る。仕事の内容を聞く。相手の話の中身を吟味する。
「それでは、何かありましたら」と言った時点で、自分の頭の中の3つの箱に、相手の名刺を分類し終わっている。
いや、「分類」なんてもんじゃない。それは、ただの「値踏み」である。
この一年で、数百枚の名刺を交換したと思う。
同時に僕は、数百人を「選別」してきた。
それが僕の仕事である。
人を選び、原稿やら何やらを頼み、それをまとめて本にするのが、僕の仕事である。
だけど、自分に人を「選ぶ」ことができるのかと言われたら、無言でうつむくしかない。
お前なんかに値踏みされたくないよという声が、名刺の束から聞こえてくる。
僕が人を選ぶように、僕も人から選ばれる。
名刺を交換するたびに、相手を値踏みし、相手から値踏みをされ返す。
僕は、そんなことがやりたくて、編集者になったんだっけ?
その答えも考え付かぬうちに仕事に追われ、隙を見ては、人の集まる場所へ出かけていく。
いまの僕には、何かをじっくり考える暇がない。
いまの僕には、自分が嫌な人間になるのを止める術がない。

