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by aru-henshusha

山田真哉は、こうやってブックファンドを活用していたのか!

こういう記事を読むと、「やっぱ、頭いいんだなぁ、山田さんって」と思います。

「ブックファンド」が中小出版社を救う!? 英治出版社のどこよりも早いビジネスとは
(WEB本の雑誌)

原田 : そもそも『女子大生・・・』シリーズは、まだ無名だった山田さんがほかの出版社に持ち込んですべてボツになっていた企画だったんです。それを英治出版で発売するに当たって、本人の全額出資でファンド(注 ブックファンドのこと)を組んだんです。そうしたら、シリーズで13万部売れるヒットとなった。その結果、彼に戻ってくる配当は非常に大きくて、印税に換算すると30数パーセントに相当したんですよ。

―― ファンドの強みですね! ほかの出版社で印税契約で出さなくてよかったんですね。

原田 : もちろんそれもブックファンドの魅力なんですが、「儲かってよかったね」でこの話は終わりじゃないんです。山田さんの場合、ベストセラーになって配当の予測がついたところで、ファンドの運用方針を変えて、そのまま配当金を受け取らなかったんです。

―― なんでですか?

原田 : 実はほかの出版社からも山田さんに執筆の話が来て、本が出ることになったんです。でも、残念ながらそちらの会社では新人著者に対して大きく宣伝ができるわけではない。そこで彼は、われわれ英治出版のほうに「新聞広告を打ってください」「その中に自分の顔写真や他社の新刊の情報も入れてください」という依頼をしてきたんです。

―― 自分のお金で広告を出しちゃうようなもんですね。

原田 : ま、本当は新聞広告の規約上、他社の商品宣伝を混ぜるのはマズイ行為らしいんですが、著者のプロフィールみたいな扱いにしてクリアしてやったんです。そうやって山田さんは、著者配当を減らしてでも、自分の顔や商品をさらにプロモーションしていったんです。そうすることで出版社の編集者に彼の存在が知られていく。やがて光文社の方が声をかけることになって『さおだけ屋・・・』の企画が生まれた、と。

印税30数パーセント相当の配当を、自分の「ブランディング」に再投資するとはかなり賢いです。
同時に、彼って努力家なんですよね、けっこう。

『さおだけ』のヒットは地道な努力の集大成って気がします。
by aru-henshusha | 2006-01-17 17:08 | 本・出版