「ビジネス」としての本づくりか? 「文化」としての本づくりか?
2006年 01月 18日
この記事、よく書けていると思う。
引用するには長いので、小見出しだけを以下に記す。
●書籍の出版は、とてつもなくリスクの高い投資
●自分が書きたいことありきの企画は通らない
●企画と出版社とのミスマッチ
実用書やビジネス書といったジャンルの出版社に勤める人間なら、ここに書かれていることには、いちいちうなずくはずだ。
そう思っていたら、DcuBLOGさんがこんなツッコミをいれていた。
こうして「傾向と対策」を立てれてしまい、うなずけてしまう出版社の現在の本づくりって、正しい状況なんでしょうか?この答えになるかはわからないが、これはけっきょく「ビジネス」としての本づくりと、「文化」としての本づくりの違いなんだと思う。
「週末起業」の藤井氏が説明していたのは、「ビジネス」としての本づくりの傾向と対策だ。
出版社のリスクをできるだけ減らし、結果として著者の実績につながるだろう本づくりの場合は、これでいい。
(もちろん、ここまで考えて本を出しても、コケることはざらにある)
いっぽう、もちろん、この「公式」にあてはまらない本づくりがあってもいい。
一部の人しか買わないとか、思いっきり著者の趣味の企画じゃんという本でも、後世に残す価値があると判断すれば「文化」としてつくればいい。
だけど、現実的に後者の本づくりが可能な出版社はそう多くはないだろう。
雑誌の広告収入で儲けてるとか、ベストセラーを連発して体力が充実しているといった版元以外では、なかなか「文化」としての本づくりに踏み切れない。
(僕が勤めているのも、そんな会社だ)
どちらが正しいとかではなく、両者の本づくりがバランスよく存在しているのが、理想的な出版界だと思う。
残念ながら、現状はそうだと言えないかもしれないが。