本を「書きたい」人と、本を「出したい」人。
2006年 02月 12日
その理由はいろいろあるのだけど、一番でかいのは、本を「出したい」人との仕事がやたら増えたからだ。
こう書くと、本を「出したい」人と仕事するのは編集者として当たり前じゃん、と思う人もいるだろう。
それはたしかにそうなのだけど、僕らの仕事はそれだけではない。
世の中には、本を「書きたい」人と本を「出したい」人がいる。
本を「書きたい」人は、実際に書く能力があるかどうかはべつとして、書きたいテーマがあり、その輪郭がぼんやりと(あるいは明確に)見えている。
いっぽう、本を「出したい」人は、ただただ本を出したいだけのことも多い。
自分のブランディングのためとか、業務上のツールにするためとか、とりあえずの小金稼ぎのためとか、理由はさまざまだけど、「とにかく何でもいいから出したいんですよ、私は」みたいな。
そういう人と仕事をするとやたら疲れるし、ストレスもたまる。
こっちでテーマ決めて、目次も決めて、ライターさんもつけて、取材して、テープとって、原稿にまとめて、なんとか本にして。
でも、そういうやり方で作った本って、十中八九、ロクな本じゃない。
だって、はなから本人に伝えたいものもなければ、何かを伝える気さえないんだもの。
それは、本のかたちをした、ただの独り言だ。
もちろん、そんなやり方で作った本がときに売れたりするものだから、そういう著者も本も増えるんだけど。
正直、もう、そういう人と仕事はしたくない。
そういう「本」を、作りたくないんだよ、俺は。

