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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

本を「書きたい」人と、本を「出したい」人。

最近、仕事でストレスを感じることがやたら多い。

その理由はいろいろあるのだけど、一番でかいのは、本を「出したい」人との仕事がやたら増えたからだ。

こう書くと、本を「出したい」人と仕事するのは編集者として当たり前じゃん、と思う人もいるだろう。
それはたしかにそうなのだけど、僕らの仕事はそれだけではない。

世の中には、本を「書きたい」人本を「出したい」人がいる。

本を「書きたい」人は、実際に書く能力があるかどうかはべつとして、書きたいテーマがあり、その輪郭がぼんやりと(あるいは明確に)見えている。

いっぽう、本を「出したい」人は、ただただ本を出したいだけのことも多い。

自分のブランディングのためとか、業務上のツールにするためとか、とりあえずの小金稼ぎのためとか、理由はさまざまだけど、「とにかく何でもいいから出したいんですよ、私は」みたいな。

そういう人と仕事をするとやたら疲れるし、ストレスもたまる。

こっちでテーマ決めて、目次も決めて、ライターさんもつけて、取材して、テープとって、原稿にまとめて、なんとか本にして。

でも、そういうやり方で作った本って、十中八九、ロクな本じゃない。

だって、はなから本人に伝えたいものもなければ、何かを伝える気さえないんだもの。
それは、本のかたちをした、ただの独り言だ。

もちろん、そんなやり方で作った本がときに売れたりするものだから、そういう著者も本も増えるんだけど。

正直、もう、そういう人と仕事はしたくない。
そういう「」を、作りたくないんだよ、俺は。
by aru-henshusha | 2006-02-12 23:00 | 本・出版