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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

どんなにベタな内容の本でも、「面白そうな見出し」が立てばなんとかなったりする。

編集者は、べつに、毎回毎回、斬新な内容の本を作っているわけではない。

とくに、僕みたいな非・文芸編集者はその傾向が強かろう。
ときには、似たようなテーマが何十冊も出ている本を、渋々(あるいは嬉々として)作らなければならない。

そんなときに、ポイントとなるのが「面白そうな見出し」が立つかどうかである。

たとえば、僕が「よい文章の書き方」をテーマにした本を作っているとする。

その本のなかに、「よい文章のコツは、なるべく装飾を少なくすること」という項目があったらどうするか。

このとき、まちがっても、「飾らないで書くのがよい文章のコツ」だなんて見出しをつけたらいけない。
この手のコツはどの本にも書かれているのだから、(著者に力がない限り)直球勝負は問題外である。

なので、ない知恵絞って色々考えるわけですよ、編集者という生き物は。

上の例なら、たとえば

・よい文章の条件は、痩せていること
・「太った文章」は悪文の見本
・文章を「ダイエット」してますか?


なんて見出しをつけるわけだ。
(さっと考えたので、「面白い見出し」とはいえないけれど)

この程度のひねりを加えれば、ベタなテーマの本でも少しは差別化できる。

これまで述べたことは編集の立場の意見だけど、著者もある程度は同じような認識をもったほうがいいと思う。

ほかの誰もが言っているようなノウハウを、他の誰もがつかっているような言葉で書かれた日には、「面白そうな見出し」はなかなか立たない。

小手先のことのように思うかもしれないが、「面白い見出し」が立つように文章を書くのは、なかなか重要なテクニックである。
by aru-henshusha | 2006-02-16 00:06 | 本・出版