編集者になるために読むべき本、なんてものはない。
2006年 03月 09日
編集者と平野啓一郎の話(前髪だけ天然パーマ Σ(゜д゜lll)ガーン)
まあ、このような反応があるということは想定内で、ただただ自分の不勉強を恥じるしかないのだが、一つだけ気になった点が。
えなりかずき書店の中には、ドストエフスキーの『罪と罰』や、川端康成の『伊豆の踊り子』など、名著が揃っている。これって、世の中には「編集者になるために読むべき本」というものがあるということだろうか?
実は私も一冊も読んでなくて、編集者になりたいんだったら、読まないとなぁ。と思って、読んでいなかった本だ。
結論から言えば、そんな本などない。
いや、誤解しないでほしい。
べつに、本を読まなくても編集者にはなれると言いたいのではなく、まったく逆。
編集者になりたいなら、むしろ自分の興味あるジャンルにこだわらず乱読したほうが、のちのち仕事の役に立つと言いたいだけだ。
実際、実用書を作るときに文学の教養が役立ったり、ビジネス書を作るのにマンガを読んでた経験が活いきたり、作家と付き合ううえで法律書の知識が求められることもありうる。
その意味で、編集者になるなら、どんなジャンルの本でも読んでおいても損をすることはない。
だから、「編集者になるために読むべき本」なんてジャンルをつくる必要もなく、同時に、どんな本でも「読むべき本」とも言える。
僕の不勉強ぶりは編集者になってからますますひどくなっているが、ここらでいろんな「頭の栄養」をとっておいたほうがいいなぁ、と今回気づかされた次第。