「あらすじ本」を読んでから、元の本を読もうって人はけっこうレアなんじゃない?
2006年 04月 29日
とっかかり本(Yahoo!辞書-新語探検-)
いわゆる「入門書の入門書」。いろいろな分野で「入門書」が出ているが、その「入門書」を読んでも十分な知識を手に入れることができないと投げ出してしまう人が多いことから、その「入門書」や「本編」を読むためのとっかかりとなるための本。「世界の名著」とか「日本の名著」を読もうとして、いきなりメルヴィルの『白鯨』を読んでも、筋立てや主要人物もわからないうちに挫折してしまうことが多い。そこで人気なのが『あらすじで読む名著』シリーズ(楽書館ブックス)。このシリーズは日本編と世界編の計6冊で、現在80万部以上が出ている。(後略)「Yahoo!辞書」の解説はたしかに正論(というかマジメ)だけど、じっさい「あらすじ本(orとっかかり本)」を読んでから、原典にあたるという人は、思ったよりも少ないんじゃないかなぁ。
出版社としては、「古典や名作を常識レベルでおさえておきたい」読者に対して、「これだけ読んでりゃ、とあえず知ったかぶりできるよ」っていうコンセプトで作ってたりするからさ、こういう本って。
(『あらすじで読む~』シリーズがそうだと言うわけじゃない。念のため)
読者をバカにする気はさらさらないけど、読者を「上等」に考えすぎてもダメなんだよね、出版って。