遠藤周作の生原稿を46年間放っておいた櫻井秀勲は、たしかに「伝説の編集長」かもしれない。
2006年 08月 05日
本人にとってのキリスト教の意味を問う純文学や、ユーモアあふれる小説・エッセーで幅広く支持された作家の遠藤周作さんの書き下ろし未発表原稿が、没後10年にあたる今年、東京都内で見つかった。作品を書き上げて46年ぶり。相手の心に届く手紙の書き方が、恋愛論なども交えて185枚の原稿用紙につづられていた。記事に登場する櫻井氏は、華々しい経歴のある「伝説の編集長」。
(中略)
原稿は6月11日夜、東京・中野に住む元編集者で評論家の櫻井秀勲さん(75)の自宅書庫で見つかった。仕事場を移すために書庫を片づけていたところ、積み重なった絵画収納用の箱の中からポリ袋に包まれた分厚い原稿用紙が出てきた。
遠藤さん特製の原稿用紙で、受取印から、60年4~9月に7回に分けて、当時櫻井さんのいた出版社の同僚に渡されていたことが判明した。
櫻井さんは「40年ほど前、同僚と遠藤さん自身から生原稿を預けたと言われたが、記憶になかった。ただ、もし自分の元で原稿が見つかれば遠藤さんの墓前に返さなければと、心の奥でずっと引っかかっていた」と話す。遠藤さんとの仲はその後も続いたが、原稿のことが話題になることはなかったという。
当時はまだ一介の編集部員だったようですが、遠藤周作の生原稿をずっと預かったままにしていたとは、大物の片鱗が見えるというか。
いや、よく考えたら、その後も変わらずに付き合ってた遠藤周作のほうがはるかに「大物」か。
生原稿なくされたら、作家はふつう怒るよねぇ。
参考:- sakuweb - Hidenori Sakurai Official Web Site