才能があって締め切りを破る人と、才能がなくて締め切りを守る人、どちらがいいか?
2006年 08月 31日
を読んで、考えたことを少々。といっても、元記事とは大分離れた話になってしまったようだが。
著者には次の4種類がいる。
1 才能があって、締め切りを守る人
2 才能があって、締め切りを破る人
3 才能がなくて、締め切りを守る人
4 才能がなくて、締め切りを破る人
才能の定義はひとまずおくとして、僕はこの4タイプの著者すべてと仕事したことがある。
最悪なのは、言うまでもなく「4」。
締め切りを破るどころか、けっきょく書けなくて仕事自体をつぶした。
こういう著者は途中で見切るのが、おたがい幸せだと思う。
いっぽう、最高なのは当然「1」。
こういう著者は稀かもしれないが、いることはいる。
僕は単行本の編集者だから、早めに原稿が入れば、本づくりや販促の面でも先手を打てるし時間もさけるので、結果として本のセールスがよくなる可能性が高い。
さて、問題は、「2」と「3」だ。
この両者のどちらがいいか、は編集者ごとに違うだろう。
僕自身の考えを述べれば、「程度問題」だと答えるしかない。
原稿が入らなくて、気が狂いそうな夜を何夜過ごしたとしても、結果として帳尻が合うのなら(あるいはその遅れが許容範囲のものなら)、「2」の人と仕事をしたほうがいい。
(*ただし、仕事してる時点では読めないか)
しかし、その遅れのせいで本がいつまでたっても出ず、結果として「出すべきとき」(←こういう表現が版元特有のものなのは承知してるが)に出せないのであれば、待った苦労は無駄骨に近いものだろう。
もちろん、どんなに出版が遅れても、その人の作品が出る限り必ず売れる、という著者がいたら、編集者も版元も、あるいは読者も待ち続けるのかもしれない。
が、そういう著者は稀有だし、並の著者が真似をしたら、業界にも読者にも忘れ去られるのがオチである。