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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

会社の「本流」、会社の「傍流」。

好きなタイプと嫌いなタイプの人間を採用する(したらば元社長日記)
人材育成で定評のあるとある人事の方の発言なのですが、

「自分が気に入る人間と気に入らない人間を採るようにしている」

という方針が会社の中であるみたいなのですね。
(中略)
同じ人間が集まると、多様性がなくなって組織が停滞する。自分が好きなタイプばっかり採っていては、会社がダメになる。好き、嫌いではなくて、多様な人材を採らなければならない、ということなんでしょうね。
いま僕が勤めている会社は、この記事の言葉を借りれば、上層部が「自分が気に入る人間」しか採用しない会社である。

もっとも、そんな上層部のチェックをすり抜けて、たまに「気に入らない人間」が採用されることがある。
面白いことに、そういう人間のほうが、かえって成果を上げて、会社を引っ張っていったりするものなのだ。

言い方をかえれば、そういうときは会社の「本流」が、時代や社会とはそぐわなくなってきているということでもあるのだろう。
少なくとも、うちの会社の「本流」(と彼らがつくる本)は、過去のように力強い流れだとは言い切れなくなっている。


会社に必要とされる「流れ」は、つねに同じとは限らない。
ある時代には「傍流」だった流れも、次の時代には「本流」となるかもしれない。

しかし、そういう単純なことがわからないお偉方は(あるいはわかっててもプライドが許さず)、力の衰えた「本流」を守りたがる。
困った時には「傍流」に頼りつつ、「本流」ばかり育てて一体何がしたいのだ。


かくいう僕も、中途入社で、異なる流儀と文化で育った「傍流」である。
「傍流」は「傍流」として、会社のはじっこで目立たずひっそり生きていきたいものだが、どうやらそうもいかないらしい。


自分たちが好かない人間に頼らざるを得ない状況は、ずいぶんと苦々しいものだろう。
だけど、それは「流れ」を読み損ねたあなたたちの責任である。

「傍流」の僕は、「本流」のちんけなプライドなど知ったことではない。
自分に与えられた役割をただこなし、あとは流れの行く末を、遠くから見守るだけだ。
by aru-henshusha | 2006-09-03 23:39 | 商品・企業・仕事