失敗の原因は、自分の「外」にしかないの?(ヒトリゴト48)
2006年 09月 18日
その失敗は、僕の担当作と関係があるものだった。
よって仕事の関係上、失敗が明らかになってすぐ、僕は彼から説明を受けた。
彼の説明はとてもわかりやすく、失敗の経過、原因はおおむね見えてきた。
しかし、ひとつだけ気になったことがある。
彼が言う失敗の原因は、すべて彼の「外」にしかないのだ。
今回の失敗には、じつは彼以外にもう一人、社外の人間がからんでいる。
そして彼が僕にした説明は、要約すれば、
「全部、この社外の人間が悪かった」ということに終始した。
なるほど、話を聞くかぎりでは、今回の失敗には、
その社外の人間の判断ミスが、大きく作用しているように思える。
けれど、はたしてそれだけなのだろうか?
ひとつの仕事には、たいていの場合、複数の人間がからんでる。
各自のからみぐあいによって、その仕事が失敗したときの責任や落ち度は、
変わってくるだろう。
だけど、そのとき、たった一人に100%失敗の原因があると言えるだろうか?
べつに仕事でなくてもいい。
団体スポーツで試合に負けたとき、指揮官一人、あるいは選手一人が、
100%負けの原因と言い切れるときは、少ないのではないか?
僕は、たいていの失敗の原因は、自分の「外」だけにあるものではないと思う。
今回の失敗の例で言えば、外部の人間が判断ミスをおかさないよう、
社内の人間が意思疎通の面などで、もっとバックアップすべきであった。
しかも、それにかかる労力など、ほんのひと手間にすぎない。
彼はそのような手間をすっ飛ばしたうえで、いけしゃあしゃあと、
「すべて外部の落ち度です」と言い切ったのだ。
こんな予言はしたくないが、彼はきっと近いうちに、
また同じような失敗をおかすだろう。
失敗の原因が、自分の「外」にしかない、なんてことはレアケースだ。
それもわからず、失敗から学ばない人間に、未来永劫、成長はない。