「会社案内」の書籍化って、けっきょく誰が得するんだろう?
2006年 10月 13日
いきなり否定から入るのも何なのだけど、この本を読んで、この会社を受けようという人は一体どれだけ増えるんだろう?
いや、というのも、この目次を見たら、ちょっと心配になってきて。
●目 次
プロローグ
・スターティアのスター社員参上!ザッツ・スターティアライフ!!
・スターティア物語 本郷秀之 社長の主張
・マンガで読むスターティアのおシゴト オフィスまるごとおまかせ物語
・全社員セキララ・アンケート ここがいいんだ!スターティア
・実践的企業ノウハウを学ぶ、オリジナル教育システム「ジュニアボード」とは?
・川柳選手権
・“ならでは”の業界用語ザクザク スターティア・ディクショナリー
・あなたの“スターティア度”がわかる!スターティア占い
エピローグ
一生懸命「楽しそうな会社」というのをアピールしようとしているのはわかるけど、逆にそれ以上のものは伝わってこないというか……(もっと言うと、何なの? この果てしない「B級感」は)
スターティアのHPにはカバーデザインのサンプルも載ってたけど、本当にこのノリでいいのかね。
たとえ応募者数は増加しても、けっこう偏った学生が来るような。
(そういう偏った人材がほしいのなら別だけど)
ところで、この本の発行元(製作者)は幻冬舎メディアコンサルティング。
HPを見てみればわかるように、企業向けの自費出版会社。
出版社サイドとしては、この本が売れようが売れまいが、あるいはこの本のおかげでクライアントのイメージが悪くなろうが、自分は痛くも痒くもなく、ふつうに儲かるようにできているんでしょう。
ちなみに、『渋谷ではたらく社長の告白』なんかは、商業出版として成立しつつも、結果的にいい「会社案内」になった一冊だと思う。
けっきょくのところ、本を出してる会社だから人気があるのではなくて、もとから支持される条件を兼ね備えた会社が本を出すから、ますます人気が出るということではないのかな。
そこを間違うと、必要以上に高額で、かつ読まれる機会の少ない「会社案内」をつくることになりかねない。
*追記
同じ幻冬舎グループには、こんな人だっているんだけどなぁ。
この会社案内は、「熱が広がる」ような出来栄えですか? 石原さん。