「新潮新書の重版率は6割」というのは、かなりスゴイことだと思う。
2006年 10月 21日
ということで、今回はこの本をネタ元にしています。
本を作る現場でなにが起こっているのか!?(雷鳥社)
創刊から3年間、よく出してきたと思います。新潮新書はベストセラーになっているものばかりが注目されがちですけれど、じつはこれまで出した160冊あまりで、重版率が6割を超えているんですよ。
*新潮新書編集長へのインタビューから引用
出版業界全体の「重版率(出した出版物に、どれだけ重版がかかったかの割合)」について正確なデータはないんでしょうが、だいたい20%~30%の間だと思います。
(もちろん、それより高い版元、低い版元がちらばっています)
そこから考えると、この60%という数字はかなりスゴイ。
野球でいえば、3割打てばなかなかのところを、きっちり6割打っているようなものでしょう。
そもそも、新書は定価が安いため、(儲けるためには)初版でそれなりの部数を刷らなければいけません。
いま、単行本では6000部ぐらいからスタートするところが多いはずですが、新書の場合は1万部から2万部の間が標準的な初版部数だと思います。
(自分は現在新書に携わってないので、大ウソだったらすみません)
定価が安いから多くの読者をつかまえてベストセラーになりやすいという側面はあるものの、2万部をきっちり売って、さらに部数を増やしていくというのは、そう簡単なことではないはずです。
こう考えると、後発で参入した新潮新書の暴れっぷりは、とにかくスゴイなぁと思います。
(ラインナップを見ていると、はなから重版は難しそうな本も混じっているから、実質的な打率はもっと高いはず)
これを超えるのは、(一部は)調子がよさそうに見える朝日新書か、それとも来月参入の幻冬舎新書か……