編集者は、「帯」が取られた後のこともよく考えたほうがいい。
2006年 10月 28日
以前、買った本の「帯」、どうしてますか?(いくつか追記あり)という記事を書いたとき、本の「帯」をすぐ捨ててしまう人が思いのほか多い印象を受けました。
ところが、多くの編集者は、本のデザインを「帯あり」の前提で考えています。
なので、いったん帯を取ってしまうと、カバーデザインがイマイチだったということもよくあります。
・実例1『図解!会社にお金が残らない本当の理由』


この本は本来、左のように発色のいい緑色の帯がつきます。
この帯があることで、カバー全体がしまって見える。
でも、その帯の下には、カバーの上半分同様、オレンジ色がしかれているだけなのですね。
だから、帯を外すとちょっと情けないデザインになってしまう。
・実例2『遺品整理屋は見た! 』


ちょっと見えにくいと思いますが、この本は帯を取ったあとの違和感を解消しようと、カバーの下半分に見出しをずらりと並べています。
もともと帯の面積が広いですから、その「跡地」を目立たせないための策なのでしょう。
とはいえ、「帯あり」のインパクト・完成度からいうと、「帯なし」のカバーは正直弱いと思います。
最近の本は、実例2のように、やたら帯の面積が広かったり、著者の写真が刷り込んであったり、どっちがタイトルだかわからないようなコピーが入っていたり(→参考)、帯に対する依存度が高いものが多いです。
けれど、読者が帯を捨てることもあれば、リアル書店が帯を取ったり、帯なしの画像がオンライン書店で使用されること(のほうが多い)もあります。
帯に力を入れれば入れるほど、同時に「帯なし」のカバーデザインにも気をつかう必要性があるように感じています。