ブログの読者数と「ブログ本」の読者数は、どれだけ重なるのか?
2006年 12月 05日
ブログ本の場合、企画会議でもっとも気にされるのが「アクセス数」。世の中には、はなはだ「論理的」な編集者もいるようですが、まあ、それはやはり机上の空論なわけで。
アクセス数が多ければ、安心してわりと気軽にGoサインを出しますし、
逆に、アクセス数の少ないサイトだと、難色を示されます。
その背景には、「アクセスが多い=読者が多い=本が売れる」
という考え方があり、中には
「100万アクセスあるからその1%が買うとして、1万部は確実に売れる」
などと、実に「論理的」な仮説を立てる人もいたりします。
もちろん、なかなかそのとおりにはならないのですが。
いい機会ですから、自分のブログのアクセス数をもとに、ブログの読者数と「ブログ本」の読者数について考えてみようかと思います。
当ブログの読者数は、記事の更新回数であったり、話題性のある記事の有無により、日々かなり増減がありますが、ここ数週間は最低でも一日約1200人(ユニークユーザー)が訪れています。
でも、この中で当ブログをブックマークやらRSSリーダーに登録している人は、半分いるかいないかでしょう。
(以前、本格的なアクセス解析を入れていたときは、そのような割合でした。あとは検索エンジンや、他サイトのリンク経由)
そういった、定期的にここを訪れる常連さんを「真の読者」と考えると、当ブログの読者は約600人に半減します。
さて、本題はここから。
仮に、当ブログを書籍化したら、この「ブログの読者」のうち、どれだけの人が「ブログ本の読者」になってくれるのでしょう?
いや、正直、その「読み」はかなり難しいと思います。
なぜって、ブログの「内容」(本にしてまで読むような再読価値があるか)や、ブログの管理人に対する読者の「忠誠度」によって、その値はかなり変わると予測されるから。
(余談ですが、当ブログのように出版関係者が読者に多い場合、「どうせ経費で買えるんだから、意外と売れるんじゃねぇ?」的な甘い予測も可能です)
この時点での「反応率」をいかに正確に(あるいはシビアに)読みきれるか、がブログの書籍化において重要な作業の一つなのかもしれません。
なお、メルマガを発行している著者の担当をしていてよく感じるのですが、そうとう「忠誠度」が高い読者を抱えていないかぎり、この反応率は1パーセントを下回る可能性もありえます。
(仮に2万部のメルマガを発行している著者がいたとしても、そのメルマガ<だけ>を契機に本を買う読者は、200人いなかったりするわけです)
そういうわけで、「論理的」かどうかは別として、自分の経験からいえば、仮に当ブログを書籍化しても、
1200人(いわゆる読者数)×50%(「常連」率)×1%(反応率、甘めで)=6人(!)
ぐらいしか、<確実な読者>は見込めないかもしれません。
もちろん、本当に大事なのは、既存の「読者」の獲得ではなく、書店で以下に新規読者に訴えかけるかなので、そこはお間違えなく。