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ある編集者の気になる人・事・物を記録したブログ。ときおり業界の噂とグチも。


by aru-henshusha

世の中には、「初版」の次が「第6刷」になる出版社がある。

これって、業界的にはタブーなんだろうか?
少なくとも、編集者になる前は、こういう版元があるって知らなかったなぁ。

第084号 『企画書リアルサンプル版付:奥付の見かた、あれこれ』
(経営コンサルタント探しの「経営堂」)
多くの出版社では、初版何千部かを刷って書店での様子を見て重版(2刷目)をかけるわけですが、出版社の中には初刷のあとに2刷目がないところがあるのです。

初版売り切りで重版をかけない、というのではありません。

以下のような表記ルールになっているからです。

例えば、初刷り5,000部を市場に撒いて、売行き好調と見た上で増し刷りを1,000部かけるとします。この1,000部を重版したとき、普通は2刷ですが奥付に突然刷り数6刷と表記する版元があります。

つまり1刷の単位が1,000部であって、刷の数イコール部数という表記を社内ルールにしているのですね。

といって新刊なのに初版がなくて、いきなり5刷から始まるのはいかにも異様なので、初刷は初刷として表記しています。
こういう社内ルールがある(と噂されている)出版社を僕は数社知っている。

もちろん、あくまで「社内ルール」なので、他社の人間には本当のところはわからない。
が、書店の実売データと比較して、「ここは、1刷=1000部という計算なのだな」と、なんとなくアタリはつけている。


普通の読者は、(かつての自分がそうだったように)こういう事実は知らないから、奥付に「第10刷」とあると、けっこうベストセラーだと思ってもおかしくない。
しかし、実際は「1000部×10刷=10000部」だったりするわけだ。

ちょっとサギっぽい気もするのだけど、とくに法に触れているわけではなさそうだし、ここらへんは各社の「良心」の問題なのだろう。


ちなみに、出版社の中には、著者に黙って重版をかけてしまう(=その分の印税は払わない)、ひどいところがあるという噂も聞いた(これは正直、デマであってほしいのだが)。

好きなことを仕事にしていると、ときおり何ともやるせない気持ちになることがある。
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by aru-henshusha | 2006-12-12 16:25 | 本・出版