編集者に好かれる漫画家、嫌われる漫画家。
2007年 01月 28日
たとえば仮に僕が編集者だとして、同じ実力の漫画家、A君とB君がいたとします。A君は人付き合いもよくて、僕の意見もよく聞いてくれる。ところが、Bくんはとても気難しくて、頑固でいつも逆らうし、コミュニケーションも取れない。となると、当然ですけど連載の仕事を頼むのは、A君ですよね。僕は漫画の編集者ではありませんが、ここで言われてることに、共感できる部分はあります。
仕事の基本はコミュニケーションにあるんです。でも、メールや電話に子供のときから慣れすぎているから、直接会って相手の表情を汲んだり、場の空気を読むっていうことがわからないコミュニケーションの下手な若者が増えていますね。
(コミュニケーションがとれて)仕事がやりやすい人と、その逆でやりにくい人がいれば、やりやすい人と仕事をしたい、と思うのが人情でしょう。
ただし、漫画家であれライターであれ、編集者が仕事をお願いする決め手は、必ずしも「コミュニケーション能力」だけではないとも思います。
たとえば、<ブログ>をテーマにした書籍の企画をお願いするとき、「同じような筆力だから、Aさんよりもコミュニケーション能力の高いBさんとやろう」というのは、ちょっと安直ではないかという気がします。
本来は、ブログ上のコミュニケーションを書いてもらうならAさん、ブログを使ったマーケティングについてはBさんのほうが詳しい、といったように、書き手(描き手)には、人それぞれの適性がある(べきだ)と思うのです。
ですから、多少の仕事のやりにくさには目をつぶって、このテーマならやっぱりこの人でしょう、という選択をする場面もあるでしょう。
その意味では、コミュニケーション能力に磨きをかけることばかりが、編集者に好かれる近道ではないと思います。
編集者は「その人」を見ると同時に、何より「その人の仕事」を見ているものではないでしょうか?