本の帯はアッサリがいいのか? コッテリがいいのか?
2007年 02月 13日
「あったほうがいい」という惰性から逃れる(書籍編集者の裏ブログ)
私はカバーの情報はぎりぎり最低限まで絞った方が良いこの記事の書き手である中原さんの意見は、僕もよくわかるのです。
と考えているので、「あったほうがいい」情報は極力排除します。
店頭でお客さんに本の存在を認知してもらうには、
目にする一瞬の間に本のメッセージを届けなくてはならない。
店頭でお客さんが1冊のカバーを最初に目にする時間は、せいぜい1秒。
1秒で読める文字はせいぜい10~15字が限界。
「買う人はそんなにじっくりカバーを見ませんよ」を軸に、
説得を繰り返します。
でも、ときに情報量満載の「コッテリ」した帯(カバー)の本がベストセラーになると、読者にとってこの過剰なまでの情報量こそが、セールスポイントになるのかもしれないという気にもなります。
論より証拠で、下に2冊のカバー画像を載せます。
版元こそ違えど、どちらも同じ著者の本で、同じようにヒットしました。


*左のアッサリ帯は『カリスマ 人を動かす12の方法』、
右のコッテリ帯は『なぜ、占い師は信用されるのか? 』
むろん、売れている著者の本であれば、どのように作っても、それなりの部数は出るのかもしれません。
けれども、この2冊を見るたびに、アッサリにはアッサリの、コッテリにはコッテリの訴求力があるのではないかと、いろいろ考えてしまうのです。